見出し画像

イヤなことから逃げるのは、結果的に好きなことを選んでいる


記憶の中で1番古いわがままエピソードをよく覚えている。小学校に入る前に選ぶ、ランドセルの色。

女の子のランドセルは赤色が多かった。けれど「みんなと同じ赤色」を背負うのはイヤだった。

深い理由は覚えていないが、その頃からきっと「みんなと同じ」ことや「まわりに流される」こと、そして「自分の意見を絶対に通したい」という意思が強かったのだろう。

選んだ色はオレンジ。赤色に紛れながら、6年間後悔することなくオレンジ色を背負った。

6年生のときに父親からもらった手紙に、「ランドセルは赤色がいいんじゃない?と言ったのに、どうしてもオレンジが良いと言っていたことを懐かしく思います」と書いていた。相当頑固だったのだろう。


***

中学3年生の夏。進路の話になり、友達はみんな倉敷市内の高校を探していた。倉敷市内の高校は20校ほど。私はピンとくる高校がなかった。

勉強はそこそこ。1学年約400人のマンモス中学校で、テストの学年順位は2桁。内申点も40点代。

でも数学が苦手だった。数学の点数を取るのが苦手なのではなく、「数学を勉強する」ことが苦手だった。自分で学校を選ぶのに、わざわざ苦手な数学を深くやりたくないなあと思い、進学校のパンフレットは脇に置いてネットを開いた。

岡山市内に、興味深い工業高校を見つける。「デザイン科」という科があるらしい。

1人で電車に乗ってオープンスクールに行った。製図、デッサン、課題研究、中学校にはない授業の数々。そういえば私も、こんなものづくりが好きだ。絵を描くことや、何か立体物を作ること。

すごく美人な在校生の方から、手作りの学校紹介パンフレットとステッカーを貰った。家に帰って舐め回すように読む。ステッカーを引き出しに大切にしまう。親にすぐに言った。「私、絶対この高校に入りたい」と。


しかし担任の先生には「進学校には行かんのん?」と言われた。「行かないです。ここの高校に入りたいです」。先生も納得してくれた。

その高校の試験ではデッサンが出題される。美術の先生であり、中1の頃の担任だった先生が、デッサンを教えてくれた。

もちろん普通教科も頑張る。それよりも、久しぶりに握った鉛筆が、心をより震わせてくれた。絶対に合格したい気持ちが高まった。

無事デザイン科に合格し、すばらしい青春の3年間を過ごせた。


***

よく友達に、「きゆかは好きなことをしてるから羨ましい」と言われる。

自分の人生を振り返る。好きなことを選んでいるのではなく、やりたくないことを避けているだけだと思う。

それが今の仕事にも繋がっている。朝起きるのが苦手で、みんな同じ時間に出社するのがイヤになって、フレキシブル制度の会社に転職した。通勤がイヤなので、リモートで仕事ができるWEB分野のデザイナーを選んだ。

イヤなことから逃げるのは、決してネガティブなことではない。

「好きなことを仕事にする」より、「イヤなことを仕事にしない」ほうが、結果的に好きなことを仕事にしている気がする。

なにかの選択肢で迷ったときに、自己啓発本には「心踊るほうへ」とか、「挑戦できるほうへ」と書いているが、それでも迷うひとには「自分のイヤなことをしないほうへ」と考えると、意外とラクに選択できるはずだ。



みつけてくれてありがとうございます。 いいね(♡)は元気の源です!サポートはもっと元気になります!笑 定期的に更新していますので、よかったらまた、きゆかの様子を見にきてあげてください!