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深海3000m

私は今深く潜っている。海で泳いでいたと思ったらいつの間にかこんなに深いところまで来ていた。もう辺り一面真っ暗だ。光すら見えずただただ下に、深く暗くもう戻れないような所まで来てしまっている。

こんなことになったのには理由がある。あの時あいつにあんなことを言ってなければ…。
私は大きな過ちを犯した。過去には戻れない。過ぎ去った時間はもう取り戻せないのだ。

あの時真剣に話を聞いていれば、と考えても意味の無いことばかりを考えてしまう。頭の中では私に大事なのはこれからの行いだとわかっているのに、体は言うことを聞いてくれない。
まるで本当に深海にいるような感じだ。周りの水圧で押しつぶされるような感じ。

そう、私は後悔の海で泳いでいるのだ。もう長いこと泳いでしまい、戻りたくても疲れて岸に戻れないような感じになっている。もっと早くに今考えていることが無意味だということに気づいてさえいればここまで酷くはなっていないだろう。

後悔というのは私は意味の無いものだと思う。
確かに悔やんだりすることは大事だ。だが、それにも限度というものがある。後悔し続けても心のどこかに修復不可能な穴がポッカリ空いてしまうだけだ。後悔し続けてもそれを解決することはできない。理由は簡単、海にずっと潜っていっても、水面には戻れないからだ。海と後悔は似ている。

海と悔やむの字が似ている理由は私なりに言うと、どちらも深く行ってしまうと真っ暗になり、何も見えなくなり、戻れなくなるからだと思う。私はそう考えるようにしている。いや、するようになった。1日2日程度しか深く後悔してないが、それでよかった思う。それ以上その場にいたら私は戻れなくなっていただろう。この文があるというのはそういう事だ。

おそらく後悔しない人間はいないんじゃないかと思う。私は今回のこの後悔が人生上で初めてだった。これまでは、「後悔とかする時間が勿体ない」など格好良さそうなことを言いながら生きてきた。実際に後悔と呼べる後悔はしてなかったと思う。でも今回、私は初めての後悔に出会った。今までどんなものでも初めてというのは心がソワソワして、ワクワクするようなものばかりだった。しかしこいつは違った。こいつだけは違った。心の底から逃げてしまいたい、もう二度と会いたくないと思ってしまった。

でもこいつは私と同じ速度で、私の横を、いや私の中に入って着いてくる。私自身がこいつと同じような感じになってしまう。本当に久しぶりの恐怖だった。小さい頃に、太陽が、月が追いかけて来ているように思い、少しだけ嫌いだったのを思い出した。ここでこれを思い出せたから私は戻れたんだと思う。

親から難しい話で太陽たちの動きの説明をされた。まだ幼稚園児だった私に、父親が宇宙とか公転とか、訳の分からないことを言っているのをまだ覚えている。今は中学で詳しく調べたからだいたいの意味は理解している。

こいつもきっと錯覚だと思い、私自身が作り上げてしまっているものだと思うことにした。次に私は何をすれば良いのか。まずはこれを考えることにした。すると考えていくうちに少しだけ心が軽くなったような気がした。こいつは鏡に映る自分のようなものだった。自分が止まればこいつも止まる。自分が上に上がればこいつも一緒に上がる。私と同じ動きをするのだ。つまり今までしてきた事の反対のことをすればきっと解消されると考えた。

逃げていたのを向き合うことに変え、嫌っていたのを受け入れるようにした。そうするともっとより深い所まで行ってしまった。でもそこは先程のような暗くて苦しい場所ではなく、少し光の指した、落ち着く場所だった。
そこにはあいつもいた。さっきの後悔だ。
まるで初めてあったかのようにソワソワしてしまった。先程までの辛かった過去はいつしか消えていた。いや、正確には消えてないが、少しだけ、ほんの少しだけ、白くなっている気がした。私があいつに向き合ったように、あいつも私に向き合ってくれているのだ。あいつと話した。時間を忘れるぐらい集中して話した。

気がつくとそこにはあいつはいなかった。代わりに私の中に入っているのがわかった。現実を受け入れることができた。私の深海3000mの旅は終わった。

終わり


後悔は誰しもが経験したことのあるだろう厄介なものです。後悔は考え方によっては人生も変わってくるほど、重大なイベントだと思います。人それぞれ考え方があっていいと思います。でも悩み続けるのはやめた方がいいです。
悩み続けても何も残らない。それに加えて失うものの方が多いです。例えば、精神が歪んでしまったり、健康を害したり、何より時間が勿体ないです。他のことに時間を掛けていればそっちが上手くいったりしたかもしれないのに。
つまりいつまでも過去にいてはいけません。
「過去」は「過ぎ去る」と書いて「過去」なのですから、前に進みましょう。過去を振り返るのは構いません。でも過去に行く、居続けるというのはダメです。時間は止まらないし戻らない、もしあなただけ過去に留まり続けたらパラドックスが起きてしまう。他の人にも迷惑がかかってしまうかも知れません。

最後に何を言っているかが分からなくなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。後悔はやり方によってはしても意味がないものです。 人生楽しくいきましょう!

ではまた次回で
ヾ(▒_▒⊂ )))Σ≡サラバ