タイ・アユタヤ探訪
※日本円での表記は、現在のレートに最も近い整数ということで、4倍にしています。
2023年8月1日、タイ旅行2日目
この日は宿泊しているバンコクから列車で約2時間、古都アユタヤの遺跡を巡りました。
タイ旅行記を全て書くエネルギーが無いので、1番楽しかったアユタヤをnoteに記録しようと思います。
アユタヤへ
始まりはフアランボーン駅(バンコク駅)から。バンコクの玄関口、タイ国鉄のターミナル駅です。
フアランボーン駅の周りには偽のインフォメーションスタッフが何人かうろうろしており、日本語を交えた巧みな話術でタクシーツアーの勧誘を行っていました。
アユタヤへのチケットは1人20バーツ(約80円)。2時間乗る距離ですし、そうでなくても破格です。
駅のトイレは入場に3バーツかかりましたが、それほど汚くはありませんでした。帰りの私たちの列車にはトイレがついていましたが、行きの降車時に「列車にトイレがあると思っていた」と話している中国人を見かけたので、行っておくのが無難かもしれません。
発車を待つ間、駅のドーナツ屋さんで朝ご飯。他にもカフェがありました。
列車が到着すると、駅のパネルがチカチカして教えてくれます。
各駅停車(おそらく3等車しかない)には、冷房がありません。気温は30度、途中で人も増え、2時間、椅子も硬いので、乗り心地はあまり良くないですね。(それが面白いわけですが…)
暑い車内では水やサンドイッチを売る人が往復していました。チケットは乗車してから切りに来ます。服を見た感じでは警察がやっているようでしたが、国鉄だからでしょうか。
発車時刻を3分遅れて発車。これは私の勘ですが、遅延時間は駅ごとに少しずつ長くなっているような気がしました。
暑く、人の汗の混じった匂いを、時折混じる外の風が流していきます。
そして、アユタヤ駅へ到着
駅へ着くとトゥクトゥク勧誘の方々が何人かいましたが、私たちは今回自転車を借りることにしていました。
レンタサイクルは1日60バーツ。古ぼけていますがギアがついていたので、普段自分が乗っているギシギシ自転車よりも高級かもしれません。
借りた後は駅から続く道をまっすぐ走り、船で川を渡ってアユタヤ旧市街へと入ります。
乗船場は自転車への配慮が中途半端だったので、載せるのに苦労しました。階段ではなく、滑り止めの突起がついたスロープ(自転車をやり繰りするには急勾配め)なので、ケガをしないように注意しましょう(同行者は帰りに転びました)。
船に自転車を載せるのに苦労していると、日本の観光客の方が助けてくださいました。降りる時の階段も助けてくださいまして…。絶対にこの文章を読むことはないと思いますが、本当にありがとうございました。
川の向こうへ到着。アユタヤ遺跡へ向かう前に、お洒落なカフェで昼ご飯を食べました。
日本にインスパイアを受けたカフェでしょうか、蕎麦や日本のお米を使ったメニューもあり、日本庭園風の素敵なお庭がありました。
腹ごしらえを済ませ、遺跡の方へ
なぜか信号機のない大きな道路を渡ると、アユタヤ歴史公園です。
アユタヤは417年間、アユタヤ王朝の都としてタイの中心だった都市ですが、ビルマ軍の攻撃で多くの建築物が破壊されており、壊された巨大建造物を見学することが出来ます。北京の円明園のようですね。
でもこうして欠けてしまったものからかつての栄華を想像するのも、歴史の醍醐味のような気がします(破壊を推奨しているわけではありません)。
ワット・マハタート
チケットを買い、まずはマハタートから。ここは木に埋もれた仏像の顔がある遺跡で、アユタヤで最も有名な場所かと思われます。
入口から入り右に歩いていくと、見えてきました。
やはり1番の見どころなので、多くの観光客が写真撮影をしていました。仏頭を上から撮らないようにとの看板もあり、仏教国として意識の差を感じます。他にも仏像に関するマナーについて書いた看板をいくつか見かけました。
ワット・ラーチャブラナ
次はマハタ―ト寺と道路を挟んだ隣に位置する、ラーチャブラナ寺へ。
入ると礼拝堂でしょうか、何らかの建物跡があります。
仏塔は登れるようです。
塔の内部はコウモリの住処となっているようでした。
ワット・プラ・シーサンペット
次はワット・プラ・シーサンペットへ向かいます。
入口周辺に到着
チケットを見せ、中に入ります。この寺院はアユタヤ王宮内にあった最も重要な寺院で、並ぶ3基の仏塔が象徴のようです。
先ほどまでのトウモロコシ型の仏塔とは形が違います。チェディと呼ばれるタイプかもしれませんが、詳しくないので軽率に書くのはやめておきます。
どうも仏塔には時代ごとに流行があったようです。
近くにはワット・プララ―ムがあります。
ゾウ乗り体験
主要な遺跡をいくつか見学したところで、ゾウに乗ってみることにしました。
アユタヤエレファントキャンプの場所がわからなくても、ゾウについて行けばたどり着けます。
多くのゾウとすれ違いつつ、エレファントキャンプへ。チケットは1人400バーツ(約1600円)で、かなり強気。
餌やり場の横の階段を上がると、ゾウに乗ることが出来ます。
ゾウはゆっくりと歩いてくれますが、如何せん大きいので、ゾウにとっては小さなゆったりとした揺れも、上に乗る私たちヒトにとってはぐらぐら、少々怖く感じます。15分ほどの体験ですが、正直乗り心地は良くないので、丁度良い位の時間でしょう。
ルートとしては、エレファントキャンプを出て車道を渡り、先ほどちらりと紹介したワット・プララームの周りを少し歩いてくれます。
私達を担当してくれたゾウ使いさんは、少し日本語が話せて、色々な日本の歌も歌ってくれました。同行者は「それも知ってるんですか!」と驚いていましたが、歌に詳しくない私は「オオ」とお茶を濁していました…。シンプルに歌が上手でした。
ちなみに、この日のアユタヤは太陽が元気いっぱい、晴れ。時期は雨季ですが、同行者が「雨季ですよね?レイニーシーズン!」と聞くと、「タブンネ~」とのこと。楽しい時間を過ごしました。
楽しい時間を過ごしたものの、私は多くの観光客を毎日絶え間なく乗せ、同じところを歩くゾウに少し申し訳ない気持ちにもなりました。ゾウと繋げたひもで、分厚そうな皮が傷ついていたからかもしれません。
ただ、タイは昔からゾウと深いかかわりを持っているようです。戦争では王はゾウに乗って戦い、庶民の日常生活でも乗り物として共に生きてきた歴史があります。そうでなくなった現代、このような観光業によって、ゾウの保護がなされているという側面もあるようです。
ワット・ロカヤ・スターラーム
最後は、ワット・ロカヤ・スターラームへ。少し離れ、小さな川を渡った先にあります。
こちらの遺跡は入場無料。というか、入場しなくともメインが見れてしまいます。
屋外に横たわる巨大な寝釈迦仏が有名な遺跡です。
仏陀入滅時のポーズ。バンコクにあるワット・ポーの寝釈迦仏と、同じ姿勢ですね。昔はワット・ポーと同様、建物内にいたのかもしれません。1956年に復元されたもののようです。
ネットの写真よりも黒ずみが増えていたので、これからますます年月を深めた趣深い姿となっていくことでしょう。
迫力ある寝釈迦仏を見たところで、そろそろ帰る時間です。
途中で、小さなマーケットを見つけました。
アユタヤ名物、ロッティサイマイも売っています。
袋に入っているような綿菓子を、小麦粉でできた薄い生地「ロッティ」で包んで食べます。
マーケットの近くには、立派な建物が。お寺でしょうか。
バンコクへ
自転車を走らせてもうすぐ船着き場という時に、突如雨が降ってきました。
ポツポツ、おや?と思ったのもつかの間、あっという間に激しい雨が。スコールです。
取り敢えず、船着き場の直前で雨宿り。雨季の雨は長時間降ることもあるようですが、数分で止みました。
雨に濡れたばかりの階段やスロープは恐怖ポイントでしたが、近くにいた方が助けてくださいました。本当にありがとうございます。
船に乗り込むと、湿った雨の残り香に、西日が少し差し込んできました。
西日の中、船に自転車を載せる帰り道。しまなみ海道を自転車で縦断した時と比較して、タイにいることを強く意識した瞬間でした。
自転車を返却すると、駅へ。乗ろうと思っていた列車は特急で座席指定のチケットだったらしく、売り切れていました。その次に発車する普通車のチケットを購入。
駅に併設されているステーションカフェで、涼んで待つことにしました。しばらくすると再び雨が降ってきたり、天気は日中とは打って変わってコロコロ変化します。
しかし、ここですっかり安心しきってしまった私たちは、列車の時間が近いにもかかわらず、夕食を注文してしまいます。
注文してしばらくした後、食べる時間が無いことに気づき、慌ててテイクアウトにしてもらいました。詳細は省きますが、列車が10分遅れていなければ、テイクアウトを受け取れていなかったという有様で、お店には大変お騒がせしてしまいました。嫌な顔ひとつせず、出来上がった食べ物を嬉しそうに渡してくださった店員さん。チップは感謝を伝えるためにある、という言葉の意味を理解できた気がします。
列車が来る段になると、大量の乗客がレールを渡ってプラットホームへ。
乗り込むと、運よく空いた席がひとつあったので、交替で座ってピザを食べました(揺れるので、スープはさすがにホテルで食べました…)。
車窓から風が入り込む。
夜の車内は冷房なしでも涼しく、窓の向こうを過ぎる小さな街灯を眺めながら食べるピザは、グリーンカレーの味はあんまりしなかったけど、なんだか開放感があって、忘れられない体験になりました。
正直、世界史選択でもなかったし、旅行前は時間も無く、あまり事前知識を入れられずにアユタヤへ行きました。
もっと知識があれば、きっとより楽しめたのだろうと思いますが、実際に体験して、目の前に見えたことを調べて、無知なりに少しでもタイのことを知れたのは本当に良かったです。
他にも遺跡が沢山残る歴史ある街なので、またいつか来れたらと思います。
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