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【ウソみたいな自己紹介~運命の出会い編~】


 
8年前の不思議な運命について、
今日は書こう。
 
 
 

《2013年1月1日》

 
 
元旦、
妻が私にこう言った。
 
 
家でダラダラしてないで、
運動でも、
してきたら。
 
 
普段なら、
全くそんなコトがいわない彼女の言葉に、
私は素直に従った。
 
 
そして、
珍しく、
ジョギングなんてしてみた。
 
 
私は、
歩くのが好きなので、
殆ど、
走るコトはない。
 
 
短距離や球技のように、
瞬発力を試されるのは、
性に合っているからか、
比較的得意だし、好き。
 
 
長く走るのは、
できれば、
避けたい。
 
 
でも、
その日は、
近所を走っていた。
 
 
 
 

《2013年8月某日》

 
 
 
今から、私物のモノだけを整理して、
20分後に、退出してください。
 
 
この言葉で、
私の外資系金融機関での勤務は、
終了した。
 
 
 
 

《2013年4月》

 
 
その新しい家のリビングは2階にある。
 
 
南向きの、
そのリビングには、
何も置いてない。
 
 
同じ面積、
同じ体積、
同じ外観。
 
7棟立ての、
建売物件の内、
2階のリビングを、
広く取り、
ワンフロアにしてるのは、
この家だけ。
 
 
他の家は、
仕切りの引き戸があって、
一応、
部屋が分かれてる。
 
 
1歳になったばかりの娘が、
トタトタと、
ハイハイを進化させた形で、
歩くのに、
邪魔するモノは何もないよ。
 
 
階段に落ちないように、
そこだけ障害物を置く。
 
 
キッチンからは、
食器を洗いながら、
窓の外のベランダと、
リビングで遊んでいる、
子供たちが目に入る構造。
 
 
浴室も2階にあって、
洗濯物を運ぶのにも、
階段を使わずに済む。
 
 
一階には、
広い玄関と2部屋とトイレ。
 
元々3部屋を想定していたのに、
その内の2部屋を1部屋に併せ、
大きな2部屋にしていたからだ。
 
 
新しい生活、
新しい環境、
新しい住居。
 
 
殆ど、
私たちが、
望んでいた要素が、
詰まっている建売物件。

唯一、
一階のトイレに、
小さくても良いので、
簡易の洗面台が、
欲しかった。

 
売れ残り。

 
 
一般的に採用されない、
部屋数を減らしてでも、
部屋の面積を広く取る。
 
 
それが、
理由で、
私たちのために、
残っていてくれた。
 
 
 
 

《2013年3月某日の前日》

 
 
近所の賃貸物件の内覧を終え、
ガッカリした気持ちとともに、
近くのバス停に向けて、
トボトボと家族4人で歩いていた。

このまま家に帰るのも、
なんだか、
ツマラナイから、
成城のスタバにでも、
行きますか、、、
 
 
息子は7歳、娘は1歳の直前。
 
いつもように、
私がBabybjörnで娘を抱える。

だから、
歩いてるのは、
3人か。
 
 
雰囲気の良い、
建売住宅が目に入った。


まだ、
アレ、
売れてないのか、、、 
 

そんなコトを考えていた時、
妻が、
ボソッと言った、
という記憶がある。

 
やっぱり、
買うしかないのかな。
 
だって、
もう、
この辺の賃貸は、
全部チェックしたんだから。
 
それに、
日当たりが良くて、
広いリビングなんて、
この辺には、
ないんじゃない?
 
あんな感じの、
一軒家を、
買った方がいいんじゃない?
 
 
 
 
あぁ、
あの家ね。
 
まだ売れてないんだよね。
 
電話番号は、たしか、、、
 
 
 
 

《2013年1月1日再び》

 
 
広い芝生の庭があって、
2階にリビングがあるんだな。
 
一階は、
これ、
何部屋に分かれてるんだろ。
 
このシャッターが3つあるってコトは、
3部屋なのかな。
 
2部屋で、
広くしてた方が、
イイのにな。
 
ふむふむ。
 
南向きだから、
2階の日当たりは、
イイんだろうな。
 
夏は、
直射日光で、
暑そう。
 
こんな家を買うのは、
どんなヒト達なんだろうな。
 
 
他の物件達は、
もう買われて、
残ってるのは、
この1軒だけ。
 
 
なんでかな、、、
 
 
とりあえず、
なんかのタイミングで、
中を見せてもらうかもしれないから、
電話番号だけでも、
メモっておこうかな。
 
 
間取りとか、
内装とか、
キッチンとか、
浴室とか、
見てみたいな、
いつか、、、
 
 
買う気は、
ないから、
迷惑かな。
 
 

元旦から、
走ってみたけど、
近所にも、
まだまだ知らない場所があるんだな。


庭に勝手に入ったけど、 
見つかっても、
まだ誰も住んでないんだから、
住居侵入罪とかには、
ならないよね。
 


《2013年3月某日》

 
 
で、
買うために、
どうすれば、
イイですか?

ナニブン、
ハジメテ、
ナモノデ。

 
 
2階に上がって、
すぐに、
聞いてしまった。
 
 
案内してくれた、
コンノさん達を、
驚かせてしまい、
逆に、
慌ててしまった。
 
 
 
昨日連絡したばかりで、
今日内覧したばかりで、
今、中を見たばかりで、
もう決めてしまうのだ。
 
 
でも、
それはもう運命としか、
思えないほどピッタリ。
 
 
それまでに、
何件も何軒も、
望むような形に、
出会ってなかった。
 
その度に、
もっと、
もっと、
と、
自分たちの理想が、
固まってきていたから。
 
 
それが、
目の前にあったら、
手に入れるでしょ。
 
 
その日の夜、
昨日連絡して、
今日案内されて、
買うコトを決めて、
私は生まれて初めて、
不動産売買の申込書に、
署名捺印してしまうのだ。
 
 
 
後悔しても、
その時には、
戻れないし、
戻りたくも、
私は断わる。
 
そんな感じで、
人生の全ては、
過ぎ去ってく。
 
私の人生は特に。
 
 
 
たぶん、
アナタの人生も。
 
そして、
アナタの機会も。
 
 
 
 
それでは。
 
 
【いつか、また、どこかで】

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