ぼんやりとした絶望
故 芥川龍之介は「何か僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安である」と書き残し自死を選んだ。
35歳の時である。
もうすぐ21歳になろうとしている私は、よく生きたなという感想を抱く。
生きるのは苦しい。死んでしまう方がよっぽど楽である。
私が胸の内を零すと「生きてるうちに楽しいことがあるよ!」と励まされることがあるが、そうではないのだ。
生きていること自体が真綿で首を絞められているような苦しさで満ちている。
私は彼と違い、類まれなる文才も背負うものもない。
しかし、苦しいのである。生きるのが苦しくて苦しくて仕方がない。
楽しいことがないわけでは無い。
楽しいことは楽しい。
だが楽しければ楽しいほど、日差しが強ければ強いほど、暗く深く心に影を落とすのだ。
幸せが怖い。
自分に幸せになる価値があるのだろうか。
幸せに値する何かを成し遂げたのだろうか。
そう考えていると、楽しければ楽しいほど涙が出そうになる。
死にたいのか、と問われれば答えはYES。
死ぬ勇気があるのか、と問われれば答えはNO。
つまり私は、強く生きることも勇気を持って死ぬことも出来ない弱っちい若輩者なのである。
生きることも死ぬこともできない私は
何か私の人生に対する唯ぼんやりとした絶望と生きていくのである。
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