きゃべた

1999/H!Pが好きなJD

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最近の記事

ひとりと孤独

皆様、自粛期間中いかがお過ごしだろうか。 このSNS時代において「ひとり」と「孤独」は貴重であり、軽賤である。 人間にとって「ひとり」は大事な時間であると思う。 私にとっての「ひとり」とは決して1人できることではなく、「自分を自分だと関知する人間がいない空間にいること」を指す。 学校からの帰り道、電車内には多くの人がいるが誰ひとりとして私を「私」だと認識する人間はいない。 私はその「ウチ」と「ソト」の間、この束の間の「誰でもない私」になるのである。 SNSを開けば

    • ぼんやりとした絶望

      故 芥川龍之介は「何か僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安である」と書き残し自死を選んだ。 35歳の時である。 もうすぐ21歳になろうとしている私は、よく生きたなという感想を抱く。 生きるのは苦しい。死んでしまう方がよっぽど楽である。 私が胸の内を零すと「生きてるうちに楽しいことがあるよ!」と励まされることがあるが、そうではないのだ。 生きていること自体が真綿で首を絞められているような苦しさで満ちている。 私は彼と違い、類まれなる文才も背負うものもない。 しかし

      • 怪物と私について

        父親が単身赴任から帰ってくると聞いて、手が震え出す娘はあまりいないだろう。 私は父が嫌いだ。そして怖い。怪物である。 話は私が今の年齢の半分、10歳の頃に遡る。私立中高一貫校を目指していた私は本腰をいれて受験勉強をしなくてはならなかった。 元々受験自体も両親の意向ではあったのだが、私はそういうものだと思っていた。 父は厳しかった。今でも覚えている。2階のリビング、広げられた問題集、父の怒鳴り声、机を叩く音。 周りの音は消え、身体が震え出す。「泣くな」と怒鳴られても涙

      ひとりと孤独