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会社で起こる理不尽な指示の原因

どの会社でも、経営層から”現場を無視した理不尽な指示”が降りてくることがあると思います。そのたびに「うちの経営者はバカなのかな?」とか「現場をコマとしか見てないよな」と嘆く社員もいるかもしれません。この記事ではなぜそんな事が起こるのか、その発生メカニズムについて触れたいと思います。

この記事は「会社指示の理不尽さに納得がいかない」という方を始めとして「出世がしたい!」という野心ギラギラの方にも読んでいただきたい内容となっていますので、最後までお付き合いください。

大前提として

世の中には上記のように何も考えずにノリと感覚だけで経営されていたり、現場を使い捨てのコマとしか思っていないような経営者も一定数いるのは事実だと思います。私も求人営業をしている時に数百社はお会いしてきたと思いますが、総じてそういう会社はブラック企業とレッテルを貼られていて、経営も厳しい状況でした。

こういう会社は日本経済を停滞させるので早く滅んでしまった方がいいと個人的には思います。ただ今回の記事はこういう経営者は省き、普通の会社でもよく起こるこの理不尽さについて触れていこうと思います。

結論

今回は先に結論を書いてしまおうと思いますが、結論は「視座が違うから。」これに尽きます。簡単に言うと、仕事で見えている範囲が役職によって大きく異なるという事です。

同時に出世をしたい人は上の人の見ている景色を学びに行く姿勢が必要ということがわかるのと、そこが学べた時にやっと次のポジションの土台が作られたということになるのです。

次の章からは各役職における視座のイメージをGoogleMapを使ってイメージをしてもらおうと思います。会社によっても役職は異なるので、今回は世間一般的にある役割を例に記事を書いていきます。

一般社員
主任・リーダー
係長
課長・マネージャー
部長
経営者

このくらいでいきましょうかね。GoogleMapで例えると本当にイメージがしやすいと思いますので、この記事を読み終わった時には、自社でよく起こっている現場が理解できない「理不尽な指示」や「経営者の朝礼暮改」がなぜ起こるのかという事を社内でも話せるようになっていると思います。

一般社員の視座

一般職の視座

隅々まではっきり見えますよね。バスに待っているのは8人で、店舗のガラスに貼っているPOPの字までくっきり見えると思います。これが一般社員の視座です。どこで誰がどのように働いていて...という現場状況を一番理解してると思います。

主任・リーダーの視座

主任

主任やリーダーになると1~2人の部下を見る事になりますので、一般社員よりもう少しだけ広い視野になります。先ほど一般社員が見ていた「餃子の王将(1号店)」を中心にもう少し広くエリアを見ることになりますが、しっかり注意して見ると人や車の流れなども見れるので、一般社員よりも広い視点で指示やフォローができるという感じです。

係長の視座

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係長になるともう区全体をみているようなイメージです。現場の第一線で働いている部下がしっかり動けているか、困っていないかを俯瞰的に見つつフォローが必要になってきます。人流れはもう見えなくなっていますが、このあたりから人によっては車の流れすら見にくくなってくというような違いがあります。

課長・マネージャーの視座

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もう課長まで行くと市全体を見ているので現場の状況を一つ一つ詳細に見ることは物理的に難しくなってきます。現場の状況に関しては係長を中心に部下から報告してもらうことがメインになってしまうというのがご理解いただけるでしょう。ましてや一般社員が見ているガラス面のPOPなんて絶対に見えやしないのです。

部長の視座

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部長までくるとビルすら見えません。部全体を俯瞰して見ることになるので、一般社員がいつどこで何をしているかというのは、基本的には見えないことの方が多いでしょう。

また現場での不満に対しても全体観点で物事を考える必要があるので、優先順位などはあるかもしれませんが、全員が100%納得する施策というのは打ち出しにくい部分がでてきます。

そして当然ながら、先ほどの見てきた京都を見る「課」とは別で大阪を見る「課」や兵庫を見る「課」などの動きも見ているので、他の課の状況によって全体の方針などを決定していくことになるので、この時に一般社員や主任などの視座の者からすると、「その指示は全く理解できねぇ...」となるのです。部長がバカだからそんな指示をしているわけではないのです。

経営者の視座

経営者

とうとう経営者の視座まできました。お分かりのように日本全体を見ているようなイメージです。もはや近畿エリアだけ見てもだめですし、関東エリアだけを見ていてもいけません。日本全体としてうまく回る仕組みを考えないといけないわけです。

先程の部長の視座とは比べものにならないくらい広い範囲を俯瞰的に見る必要があるのはおわかりでしょう。従業員一人一人の行動なんて当然見る余裕はありませんし、物理的には視界にも入ってこないのが普通です。

つまり経営者の指示というのは自身に近いポジションの部下からの報告を元に判断しているのと、全体観点で最適だと思う指示を出しているということを一般社員は理解しておかないと「うちの社長はバカだ。」とか「現場が何にもわかっていない。」と虚しい気持ちのすれ違いを起こしてしまいます。

また同時に”正確に報連相する重要性”も怖いぐらいイメージできるのではないでしょうか?その通りです。誤った報連相は誤った判断を部長や経営者にさせてしまいますので気を付けましょう。逆に正しい情報を上げてくれる部下ほどありがたい存在はいないと思います。

視座の違いから来るスピード感

これも視座の違いと同じくらい重要なので頭の隅に置いておいてもらえるとありがたいです。先ほどのGoogleMapで各役割における視野の広さを表現しました。それぞれの視野の縮尺がビジネスには大きく影響してきます。

先程の地図の縮尺を一覧に書くとこうなっておりました。※これはイメージで私が切り取っただけなので、主任と係長の視野の差が10倍という法則はありませんのでご注意ください。

一般:ー
主任:20m
係長:200m
課長:1Km
部長:20Km
経営者:200Km

地図上では同じ I_______I という長さでも、実際にこれを一マス進める時のスピード感は全役職に応じて全く違うということもご理解いただけたと思います。

経営者や部長も下の役職者から見るとスーパーマンに見えると思いますが、同じ”人”であり間違った判断をすることもあります。特に経営者が見ている視野はかなり広いので、朝出した指示が夕方になってダメだとわかる場合もあるのです。(まさに朝礼暮改)

今後も上司からの理不尽な指示を感じることがあると思いますが、この視座の違いを理解し、不満状態から何か意図があるな?とアンテナを張っていけるようなビジネスマンになりましょう!

長々と今回もお付き合いをいただきありがとうございました。少しでも仕事の進め方にお役に立てる事を願っています。


※TOP画はイメージ近い画像を見つけたので以下のサイトより引用させていただいております。https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1807/04/news008_3.html

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