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短編小説 小さな夢

僕なんて何の取り柄もない。
 仕事もアルバイトだし、友達も0人。誰とも本気で話せない。
 
僕はこれからどうやって生きていったら良いんだろう。

 1つ幸いなことは、まだ両親が健在で食と住には困らないこと。でもたったこれだけ。

 何もしたいことはないし、何の夢も持っていない。こんな僕がこれからどうやって生きていけば良いというのか。

 座椅子に座って、ただぼんやりとラジオを聞く、パーソナリティーの人の声がする。いつもと何も変わらない。アルバイトが休みの日はいつも好きなラジオを流している。

「ラジオネーム、ター坊さん、いつも楽しくラジオ聞いています。
モモさんはどうやって今のラジオパーソナリティーになられたのですか?
僕には夢があります、前向きに取り組んでいきたいんですけど、どうやっていけば良いのか分からないんです。モモさんが今のパーソナリティーに至るまでにどうされてきたのか、是非参考にさせて頂きたいので、きっかけから今までの過去を教えて下さい。」

「メッセージありがとうございます。私ですか、私は本当に物心ついた頃からラジオばかり聞いて、それで満足していました。親はこういうので良いのかって悩んでいたみたいですけどね。それから小学校に入っても、中学の頃も、高校の頃、もう変わらずずっと聞いてきました。休みの日はそうですね、たぶん15時間くらい聞いていたんじゃないでしょうか。
私はクラスの中でも特に仲の良い友達もいなかったですから。まあそれなりにはクラスメイトとも話していましたけど、放課後も早く家に帰ってラジオを聞きたいからってそそくさと帰ってました。」

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