【腸内細菌学辞典用⑥】

(蛙・ω・)<腸の病気について

■過敏性腸症候群[IBS]

慢性的、もしくは長期的な消化器官の不調が続く病気のこと。
「大腸に主だった原因が見つからない」のが特徴の1つ。
 
メカニズムとして、「脳の知覚過敏状態」と「ストレスによる腸の急速な収縮運動」が考えられ、発症の原因の1つとして「ウイルス性腸炎」感染後に発症するケースが多い。


■過敏性腸症候群[Irritable Bowel Syndrome]
通常の検査では腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を感じる症状のこと。
精神的ストレスや自律神経失調など。
「慢性下痢型」「不安定型」「分泌型」の主に3つに分類されている

■「慢性下痢型」
軽い緊張や不安があると便意をもよおし激しい下痢の症状があらわれる。
別名「神経性下痢」とも呼ばれる

■「不安定型」
腹痛や腹部の不快感とともに下痢と便秘を数日毎に繰り返す。
便秘時は腹部が張って苦しく、排便したにもかかわらず出ない、また出てもごく小さな便しか出ない。
別名「交代制便通異常」と呼ばれる

■「分泌型」
強い腹痛が続いた後に大量の粘液が排出される

【論文】プロバイオティクスでIBSが改善した

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32014597/

■【noteで学ぶ腸内細菌学65:過敏性腸症候群[IBS]とプロバイオティクス】|虫圭


■リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)

腸(腸壁)に穴が空いて、そこから細菌が漏れ出し体内全体で様々な不調、病気を引き起こす原因になる病気。
原因は多種多様だが、腸内環境が多角的に乱れ、荒れると発症する。また、健康な人でも食生活の乱れなど小さなきっかけで腸に穴が空く要因になる。
 
■引き起こす症状(腸外)

片頭痛 線維筋痛 不安障害
うつ病 嚢胞性座瘡 酒さ
慢性疲労 喘息 化学物質過敏症
不眠症 慢性アレルギー 慢性疼痛
双極性障害 貧血 関節痛/関節炎
思考力の低下 認知機能障害
むずむず脚症候群 湿疹や他の皮膚発疹
乾癬 慢性蕁麻疹 橋本甲状腺炎
狼瘡 関節リウマチ
 
■引き起こす症状(腸内)
腹部膨満 下痢 便秘
過敏性腸症候群(IBS)
呑酸/胸焼け 過度のガス生成
便中に未消化食物

■リーキーガットの原因とされるもの
・食生活(果物や野菜を食べずに、砂糖や加工食品の消費が多い)
・ストレスの増加
・食物感受性(乳製品、小麦/グルテン、トウモロコシ、大豆が一般的な誘因)
・食物アレルギー
・抗生物質の使用
・NSAIDs(イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬)
・常習的なアルコール(女性は1日1杯以上、男性は1日2杯以上)
・不十分な胃酸生成物(胃酸抑制薬)
・原虫感染と寄生虫感染
・小腸細菌過増殖症候群(SIBO)

■【1分で読めるnote『腸活』リーキーガットを修復する】|虫圭

【論文】アルコールによる腸内細菌の乱れはリーキーガットを引き起こす

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4210345/

 

 リーキーガットに関しては莫大な情報があるので、「身体によくないこと」全般が「腸に穴が空く原因になる」というのは覚えておきたいところ(o・ω・o)

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