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やる気満々の新卒はご用心

藤田晋『藤田晋の仕事学』を読んでいます。

仕事に対するモチベーションは、高ければいいというものではありません。例えば、私は就職活動中の学生や新人と話している時、彼らの多くが、会社に対する思いが強すぎたり、仕事に対するモチベーションが高すぎることが時々心配になります
会社での毎日は地味な仕事がほとんどです。社長になっても単調な日々の方が多いのです。いつも楽しく過ごせるわけではないですし、活躍するチャンスがたくさん巡ってくるわけでもありません。 [中略] 熱い気持ちだけでなく、淡々とした気持ちを持つことも覚えた方が、ビジネスパーソンとして賢いのではないでしょうか。 (p.83)


就活段階で「やりたいことをやる!」とか「強みを活かす!」とかいったキラキラしたことばっかり考えていると、会社や仕事といったものに対して、過剰な期待、モチベーションを持って入社することになります。

そうすると、「思ってたより厳しくて地味な日々」に幻滅しやすくなってしまうのです。現実の会社は、面倒で地味なことが多いし、活躍するチャンスもそう多くはない。

高すぎる期待やモチベーションは、現実とのギャップを生み出し、幻滅やストレスを引き起こします。入社時にやる気に満ち溢れていた人ほど、この負の状況に陥りやすいと言えるでしょう。


マーケターの森岡毅さんが仰っていましたが、社会人デビューとは、それまでの集団でそれなりにできていた自分が、新しい集団の中では1番できない人間になることと言えます。

入社したばかりの新人は、どんなにモチベーションが高くても、会社での位置づけ的には1番の下っ端で、基本的には人数合わせみたいなものです。
スキルも実績も権限もない、社内でいちばん仕事ができない人です。

入社してすぐの頃は、やる気は高いのに、「できないこと」や「納得いかないこと」が多い、モヤモヤした日々を送ることになるでしょう。そこで、「こんなはずじゃなかった」、「やってられない」などとへこんでいても、疲れるだけです。
厳しい現実の中でも、「こんなものだ」と思えるかどうかが、賢く働けるかどうかの分かれ目になるのだと思います。


「イメージしていたより地味な仕事」や「仕事ができない自分」を乗り越えられず、潰れてしまう新人はたくさんいるかもしれません。

そこを乗り越えるためには、藤田さんの仰るような「淡々とした気持ち」が必要なのではないでしょうか。
肩の力を抜き、マラソンの最後尾からスタートする覚悟が必要です。

程々のモチベーション、淡々とした気持ちで、来週からの内定者研修も過ごしていこうと思います。

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