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(医)痛みも遺伝子レベルで制御されている。

こんにちわ。週末に涼しい風が吹き始めて 夏もひと段落かと思いきや、まだ暑いですね。皆様は心も体も健やかにお過ごしでしょうか?

今日はペインクリニックの1丁目1番地の痛みの話。

医学の基礎系の論文で インパクトファクターは8程度という論文です。

分娩や陣痛の痛みとはよく「鼻からスイカが出てくるぐらい痛い」と言われます(本当?) 最近は無痛分娩なども日本でよくされており、「痛みに我慢して出産するんだ!」みたいな謎の日本人根性も改善されてきております。

そんな中、初産でも鎮痛剤が全くいらずに出産してしまう女性もいるとのこと。(女性のみなさんからは信じられないという返事がかえってきそう)

まずこの研究では、初産で鎮痛が必要なかった人と必要であった人を比較した結果、熱や冷水、圧に対する痛みの閾値が高いことが分かった。一方、心理状態や認知機能には差が認められなかった。つまり

痛みの感じ方には内因性の違いがあるという示唆

そしてその遺伝子を調べた結果

数人のKCNG4遺伝子のレアバリアントを保有していた

KCNG4遺伝子は神経細胞を流れる電気信号を制御するゲートと呼ばれる開閉機構に関わりを持つため、この遺伝子に変異があると、神経細胞から脳への痛みのシグナル伝達が阻害される もの。

つまり この遺伝子が変異していると痛みが伝わりにくいんですね。

ひょっとしたら将来 慢性疼痛に対してこの遺伝子をターゲットにした治療薬が開発されるかもしれません。

でも、痛みというのは人間にとってひとりの危険信号であるので伝わらないのも問題なんですよ。

お大事に。


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