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僕の小学生時代の愛読書 『ふしぎな小数(算数と理科の本シリーズ)』

僕が小学生のとき、学校の図書室で良く借りていた本があります。それは『ふしぎな小数(算数と理科の本シリーズ)』です。確か2~3回は借りていたと思います。

残念ながら現在は絶版になっているのですが、最近たまたま古本屋さんで見かけて、懐かしさのあまり即買い!

で、改めて読んでみると、今の僕でもなかなか面白い内容になっていることに驚きました。

そこで、今日は本書の良いところを僕なりにまとめてみることにしました。

小学生でもイメージしやすい言葉を使っている

本書では、小数と分数とを行き来するために使う公式 $${a\div b = a/b}$$ のことを「パン切りの原理」と呼んでいます。

例えば $${3\div 4}$$ を求めるのに、食パンを3枚重ねて4等分すると $${1/4}$$ 斤が3つ分できるから答えは $${3/4}$$ である、と説明しているのです。

他にも、 $${1\div 7 = 0.\.{1}4285\.{7}}$$ のように循環する数字を「ダイヤル数字」と呼んだりしています。

このような言葉を使うことで、小学生でも理解しやすくしてあるわけです。

問題提起からその解決までの構成展開が滑らかである

本書では、循環小数の周期の謎を紐解く部分が一番の要所なのですが、問題提起からその解決までの流れが、実に自然です。

$${\div 3}$$ (周期1)、$${\div 7}$$ (周期6)、 $${\div 13}$$ (周期6)、 $${\div 17}$$ (周期16)、 $${\div 11}$$ (周期2)の順に割り算させて、循環小数の周期の謎へと自然と注意が向くようにしています。

その解決の仕方も、割り切れる有限小数の場合と対応させながら、循環小数を分数に直す方法を探るという方法をとっており、天下りな感じを与えません。

結果として、最後までスイスイと読める構成になっています。

随所に好奇心をくすぐる高度な内容が含まれている

本書では、小数の単位のところで塵劫記やメートル法に触れたり、「ダイヤル数字」の性質を色々書いてあったりして、算数好きの子の好奇心をくすぐるような記述が随所で見られます。

その中で特に目を見張るのは、次の文章です。

この大数学者ガウスの最初の研究が、実は循環小数だったのです。(中略)そしてこの研究から青年時代に平方剰余の相互律という、極めて重要な定理を独力で見つけ出し、それをはじめて正確に証明したのでした。

『ふしぎな小数(算数と理科の本シリーズ)』P.33

僕はこの事実を知らなかったので(子供のころ読んだはずでしたがすっかり忘れていました)、すっかり感心してしまいました。

他にも、最後に腕試しと称して虫食い残の問題を出題したり、巻末に$${\div 100}$$ までの循環小数の表が載せてあったりして大人でも興味深い内容になっています。

以上、本書の良いところを僕なりにまとめてみました。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!