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AKA博田法

技がなくて切実に治療テクニックを欲してるのは、私のような理学療法士、もしかしたら作業療法士もそうかもしれません。
それに他職種のことを言うのははばかれるけど、柔整師もそのように思う。今までの付き合いからそう思える。 

技が欲しいですよねぇ…
切実ですよ。
明日も患者は来るんですから。 

何も技がなくて、そして自信もなくて、オマケに金もない。
将来が不安で、同級生の動向が気になったりしてる。 

俺の若い頃は、理学療法士の世界では、なんと言ってもAKA(関節運動学的アプローチ)がドーンっときてた。そしてあえて言うなら筋筋膜摩擦伸長法その後マイオセラピーと称されるようなものもあった。こちらの先生は、元マッサージ師なので、多分にマッサージの要素が強く、理学療法士になったその先生が、マッサージに理論を後付けしている無理矢理感が俺の中で寒かった。 

さてAKAを知らない人もいると思うので、まずは定義を。
以下です。↓↓↓
関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach:AKA)-博田法(Hakata method)は関節運動学(arthrokinematics)に基づき、関節神経学(articular neurology)を考慮して、関節の遊び、関節面の滑り、回転、回旋などの関節包内運動の異常を治療する方法、および関節面の運動を誘導する方法である。


私が理学療法士養成校に入ったのが、1987年。関節運動学的アプローチ(AKA)という名称が決まったのが、1983年。関節運動学的アプローチ第一版の発刊が1990年。 

俺が養成校で博田先生本人から学んだのは、AKAの最初期のことだった。 

当時は凄い!と思った。
ただ仙腸関節を動かせば、肩関節の痛みや硬ささえ改善されたことにすごく驚いたんだけど、なぜ?と質問した時に、ガッカリしたんですよ。
その時の回答が「関連痛だ」だったんです。 

当時デルマトームしか知らなかったので、全く理解できないし、可動域が改善する答えにもなっていない。 

とにかく仙腸関節ありきで、なんでも関連痛で片付けていた印象があった。 

まぁその当時、他のモビリゼーションとの差別化が必要だったのでしょう。だから仙腸関節にこだわったのかもしれない。
単純に仙腸関節の魔力にやられただけかもしれないし。
なんで仙腸関節?と疑問を持っても、まずはやってみろ!という親方的な態度だった。 

ところで関節運動学的アプローチ第一版を読んで、気に入らないところが、特に2つありました。 

1つはAKAの誕生で、マッサージの存在意義はなくなった!との記述があったことです。
AKAのことを語るなら良いけど、古来からある他の技術を完全否定する必要は無いだろうと思った。個人の思いとして茶飲み話で言うならまだしも、著書の中で断言するセンスがなんともトホホな感じだ。
この辺りに博田先生を好きになれないところがあった。 

そして第一版にこんなことも書かれていた。
つまり要約すると、アメリカで向こうのマニピュレーションを見て衝撃を受けた。と書かれていたんです。
当時アメリカでマニピュレーションをやっていたのは、ほとんどカイロプラクターですし、博田先生の奥さんは、白人なんですよ。だからカイロプラクティックを知らないわけがないんです(個人の感想です笑)
初期の椎間関節の離開など、カイロプラクティックのCOXテクニックをそのまんまパクったんじゃないかと思いましたもん(小声で) 

日本に戻った博田先生は、医師の立場でカイロプラクティックなんて紹介出来るわけがないんですよ。アメリカでも当時カイロプラクティックは、アメリカ医師会と「あいつら患者を診とるやんけ!」と裁判中でもありましたので。 

あの頃アメリカ帰りの先生が、向こうのテクニックを持ち込んで、ワガモノ顔で金儲けと権威を手に入れるって事が多かったんですよ。 

さて…いくらAKAを盲信しても、狂信的に取り組んでもやはり穴があるんですよ。 

AKAはSOTで言うところのカテゴリーⅡをみているんですね。
面白いことにAKAを博田先生と共同で開発した宇都宮初夫先生(理学療法士)は、仙腸関節より腰仙関節の方が大事じゃね?と言い出し、袂を分かつことになり、その後宇都宮先生はSJF(関節ファシリテーション)を開発することになるんです。
この件、腰仙関節も大事じゃね?という部分は、SOTで言うところのカテゴリーⅢでしょ。 

SOTではすでに1970年代に骨盤機能障害をカテゴリーⅠ、Ⅱ、Ⅲと分類してるんですよ。
未だに日本ではカテゴリーⅠを発見されていないんです。 

昔、AKAを学んでいる狂信的な理学療法士にこのことを話し、もし興味があるなら教えるよと伝えると、その理学療法士は「まずはAKAを極めます」と言ったんですよね。 

(´,,-ㅿ-,,`)フゥ-
患者ありきじゃないんですよね。盲信するとテクニックあり気になるんですよ。 

それ、いつ極まるの?
極めたところでカテゴリーでいう1/3しかカバー出来ないよ(´A`)トホホ 

博田先生も博田先生だよ…
それまで一緒にやっていた宇都宮先生が気づいたカテゴリーⅢを認めず、それだけじゃなく、AKAをAKA-博田法と改名し、商標登録して、自分たち以外を似非AKA呼ばわりしている。 

テクニックそのものは、とても良いテクニックですよ。
だけどAKA-博田法やってますって恥ずかしくて言えないもん。 

患者の利益より自己顕示欲、承認欲求の方が強くならないようにしたいものです。

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