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The Libra:バイデンの外交政策に関する簡単なメモ

<ミニ・ポリティーク短信>
ジョー・バイデン大統領のトランスアトランティック・アライアンス(大西洋横断同盟)

 ジョー・バイデンが大統領就任後,初めて国際外交の場で語った内容は,予想通りというべきか,やはり前任者とは正反対のものだった(内容は,ヨーロッパの同盟諸国にとって,凱旋に相応しいものだった).

 金曜日,ミュンヘン安全保障会議(Munich Security Conference)の中で,バイデンは米国がトランスアトランティック・アライアンス(大西洋横断同盟)に回帰したことを宣言した――「米国が帰ってきた」.

 そして,バイデンがスピーチの中で語った「民主主義は偶然に起こるものではない.我々は,それを守らなければならない」というフレーズは,2019年11月のアンゲラ・メルケル独首相の記念式典でのスピーチを思い出させるものだった――「自由,民主主義,平等,法治主義,人権といった欧州の基礎となっている価値は自明のものではない」というフレーズだ.

 バイデンは,ヨーロッパとの同盟関係は「20世紀と同じく,21世紀に達成したいことのすべての礎」であり,「これからもそうでなければならない」という見解を表明した.
 これは,NATOに対して「米国は独自の道を歩むことができる」と述べた,前任者とは大きくことなるスタンスだ.バイデンは,NATO条約の集団的自衛権条項についても擁護した.

 バイデンはほかにも,ロシアや中国の脅威,コロナウイルスワクチン,気候変動といった内容に言及し,それらはすべて,ヨーロッパの"民主主義的な"政治指導者たちを安心させる内容だった――「中国との長期的な戦略的競争に備えなければならない.北京の経済的虐待と強制に対抗する」.

 スピーチの内容は良かった.だが問題は,それらが果たして本当に実行されるか(実行できるか)どうかである.

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