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アラウンド・1990’S 3 尾崎豊・蛭子能収、田口トモロヲ・新興宗教

尾崎豊

尾崎が現役当時、確かに尾崎豊は誰もが知っている名前だった、が、よく聞いているとかファンであるとか公言している人は少なく
クラスに一人いるかいないかどうかだった。マスコミは10代の教祖などと報道したが、どっちかというとイケテない組が聞く音楽で、表向きはみんな距離を取っていた。だいたいB'zがデビューしそうな時代で世の中的にはレベッカ後期と暴威とプリプリが席巻していたので 尾崎といえば今でいうサブカル的扱いだった。今もか?

むしろ尾崎がメジャーになったのは死去してからで当時26歳での死去に世間も驚いたし、葬儀に3万人近く集まる社会現象をみて尾崎と距離をとっていた自分も、将来自分が26歳で死んだら何万人集まるんだろうか?誰も集まらんだろう、という現実を突きつけられた。やっぱり尾崎って偉大なんだなと死去してから思えたし、アルバムをまともに聞いたのも死去後である。

(実は葬儀の日、雨の中池袋駅までは行ったが、場所が分からず断念した。。ネットがない時代はこんなもんよ)

でも、そんな人が多かったのではないだろうか。死後アルバムは過去にさかのぼってバカ売れしたし、よくわからないライターが書いた尾崎本が本屋の特設コーナーに山と積まれた。

改めて尾崎を聞いたのは20歳を過ぎてからだが、10代のころは生々しすぎて聞けなかったんだろうな、と感じた。
20代で一歩引いた角度で聞けたからこそ尾崎ってこうなんだ、と聞けた。

「卒業」の歌詞なんかは割とよく当時、左派系ミニコミ誌などで書かれていたどこかで聞いたフレーズが多かったが、やはり完成度が凄い。
断片的なフレーズでどでかいホールケーキを作った感じの美しさ。

ダンスホールにしろ、街の風景にしろ、テーマ自体は70年代フォークにありそうだが圧倒的にモダンで洗練されてバブル絶頂と向かう時世に生活は豊かになったけど、何か社会が物足りないという(今から考えると贅沢な悩み、空白だが)空気にマッチした。

みうらじゅん、蛭子能収、田口トモロヲ


この3人はサブカル、というよりアングラエロ雑誌くらいしか当時名前を見なかった、というかその手の雑誌では存在感が濃ゆかった。


今ではテレビに出たりメジャーになってしまい、思い返しても驚くしかない。蛭子さんなんかヘタウマではないヘタヘタの絵でエロ書いてたんだぜ。
田口トモロヲがNHKプロジェクトXのナレーションとか、NHKは経歴知ってんのかと、クレジットを何度見したことか・・
マイナー領域で力を貯めて将来どう開花するかわからない。
アングラ時代のタモリを知っている人もNHKでタモリを見ると違和感があるらしい、さすがにアングラ時代のタモリは記憶に薄いが

新興宗教

あのテロ事件を起こし死刑になった人たちは、普通にテレビに出ていた、とんねるずの番組や片岡鶴太郎の昼の番組にヨガの先生、やイロモノとして。youtubeに一部残っているのを見たことがある。

北野武ともテレビ対談して、善悪に対する武の考えを「武さん、それは高い次元に生まれたからそう考えられるんですよ」と教祖が言ってたのが印象的、朝まで生テレビにも弟子連れて出ていた。

それより数年前、当時学研(学習研究社)の科学と学習という月刊誌がありヨガの先生の空中浮遊など写真がのっており、学研の記者が目撃したという体裁になっていた。私は学研を信用していたため記事に関して腑に落ちないが、そうなんだ、と思っていた。私と同世代で死刑になった人を見ると同じ雑誌見てたのかなと、自分も一歩間違えば死刑になっていたかもしれない。

だいたい教祖の本(ヨガ系)が写真入りで書店に平積みされていた時代である。テレビにも出てるし著作もたくさんあるし、胡散臭くはあっても犯罪と結び付けて考える人は少なかった。図書館でも読めるムーとかの雑誌も「狂気の修行」やらなんやらの案内広告が毎回載ってた。上祐もそれで知ったらしい。当初は、名物ヨガの先生的な扱いだった。週刊誌かスポーツ紙かで過去の薬事法違反の噂のベタ記事が載ったくらいか。



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