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地域の人たちにサッカーを好きになってほしい!その想いから始まった大学生による無料サッカースクール

神奈川大学サッカー部は、フットボーラーとしてサッカーの技術の成長はもちろんですが、それ以上に一人の人間としての人間性の成長も求めて活動しています。また、どんな状況でも一生懸命に取り組み、その状況を前向きに捉えて、今できることを実施しています。
そんな私達が常日頃から大切にしていることが“繋がり”。
サッカーでの繋がりはもちろんですが、学校や地域、人との繋がり、OBとの繋がりも大切にしています。
全3回の連載2回目は、本学サッカー部と子ども達との繋がりを紹介します。

チーム理念「F+1〜新たな可能性〜」から誕生した“中山サッカースクール”(3年 三澤 徹晃)

「F+1〜新たな可能性〜」とは、サッカー部の大森監督が神大に就任してからチームに根づいた理念です。
『F+1』とは『Football+何か1つ』という意味で、私達サッカー部はサッカー選手としての可能性だけではなく、選手以外の部分での将来的な新たな可能性を見い出すことにも取り組んでいます。特に神大は”+1”の取り組みとして、地域貢献に力を入れています。
普段練習をしている中山キャンパスの最寄りであるある中山駅周辺のゴミ拾いから始まり、今では被災地へのボランティア活動、スポーツ大会の運営など多くの取り組みをしてきました。

その中の一つの取り組みが今回お話をする「中山サッカースクール」です。

地域の人達にサッカーを好きになって欲しい、サッカーをやりたいけれど使えるグランドがなくできなかったり、経済的に厳しくサッカーができなかったり、そんな子供たちにも気軽に参加し欲しいという思いから2019年6月に無料のサッカースクール「中山サッカースクール」を立ち上げました。
私たち神大サッカー部が普段から使用している中山グランドで毎週火曜日に地域の小学生を招き、部員がコーチとして指導する小学生サッカースクールを行っています。

立ち上げにあたっては、神奈川大学はもちろんのこと一昨年から神奈川大学サッカー部のスポンサーになって下さった日総ブレイン様からもご支援をいただくこととなりました。
また、スクール用に考えた練習メニューを週に1度、部員に実践してもらったり、子ども達への指導方法についてスタッフや部員から改善点やアドバイスをもらったりと色々な人の協力があり実現することができました。

指導風景

サッカースクールの子ども達を指導することで、私達も学んでいる

スクールを始めてから私たち神大サッカー部の試合が中山のグランドである時はスクールの小学生たちが観戦に来て応援をしてくれています。

現在では約100名の小学生が毎週スクールに参加し、ボールに慣れること、ボールを扱うことの難しさや楽しさを感じてもらうことを目的として行っています。スクール自体は約1時間と短いですが毎週様々なメニューを行うのでとても充実した時間を過ごせると思います。

中山サッカースクールの大きな特徴として練習前に意識してほしいテーマを提示します。例えば、「共感」がテーマの時は誰かがミスをしてもお互い励ましあったり、ゴールを決めたらみんなで喜んだり・・・
そういった当たり前の事だけど意外とできない、人としての”根っこの部分”を僕たちは「ライフスキル」と呼んでいて、スクールを通して子ども達と一緒に私達コーチ陣も学ばせてもらっています。
「サッカーは子供を大人に、大人を紳士に」と言う言葉がありますがまさにその通りだと思います。

指導風景②

新型コロナウイルスによって奪われた子ども達の練習の場。「何かしてあげたい」から始まった動画配信(3年 角田 薫平 )

世界中に猛威を振るっているコロナウイルスの影響で、私達サッカー部も活動休止が余儀なくされ、「中山サッカースクール」も開催を中断することとなりました。練習する機会を失った子どもたちに何かできないだろうか・・・そこから、子ども達が自宅で少しでも練習ができるようにと考え、動画の配信を始めました。
現在は、リフティング・ドリブル・リフトアップの3つのカテゴリーのいずれかを公式LINEやYouTubeなどのSNSを通して毎週配信しており、動画内では、技やトレーニングメニューを部員が初級、中級、上級と難易度別に宿題として出しています。
特別編として神大サッカー部OBを始めとする現役Jリーガーなどの選手が動画に出演してくれることもあります。

「中山サッカースクール」活動を通した自身成長との今後の目標(2年 小泉 善人 )

このサッカースクールの活動を通して色々なことを感じますし、学ぶことがたくさんあります。
無邪気に全力でボールを追いかける子ども達を見ていると、「自分ももっと頑張ろう!」という気持ちにさせてくれます。転んでもすぐ立ち上がって全力で食らいつく姿は、自分自身を奮い立たせてくれる瞬間でもあります。
そして、子ども達から見れば大学生は、「かっこいいなんでもできるコーチ」です。大人として、コーチとして、正しい言葉遣いや接し方など、自分を律することにも繋がっています。

子ども達への「伝え方」は特に学ぶことが多くありますし、特に気を使っています。私は年長〜1年生のグループの担当ですが、スクールが始まった当初は、ゆっくり丁寧に話をしていました。
しかし、子ども達は早くサッカーがしたいので、長くなり過ぎると話に飽きてしまって話を聞いてくれなくなります。なので、今はなるべく端的に今日の目標や、メニューなどを伝えるようにしています。これは社会に出ても大切なことなのではないかと最近感じています。要点を端的に相手に伝える、簡単そうですが実はとても難しいことです。

今後の目標はスクール生150人に拡大することです。
現在は小学校4年生までですが、今後は5、6年生まで対象範囲を広げて、もっともっとパワーアップした活気あるサッカースクールしたいと考えています。そして地域に愛されるサッカースクールにしていきたいです。
現在は、新型コロナウイルスの影響でスクールの開催が難しい状況が続いていますが、スクールのコーチ全員が再開を楽しみにしています。
子ども達とも楽しい時間が戻ってくるまで、自分たちのできる活動を続けていきたいと思います。

集合写真