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推薦図書_ファクトフルネス①

社員教育のひとつとして推薦図書の読書を推奨している会社もあるでしょう。

私は30代のときに当時の上司から月1冊本を読むようにと指導を受けました。

もともと本を読むのは嫌いではなかったので1ヶ月に1冊の本を読むというのは苦ではありませんでした。逆に半強制的にしてもらったことで読書の習慣ができて良かったと思っています。

今日は最近読んだ本でファクトフルネスについて紹介したいと思います。100万部以上売れている本なので読んだ方も多いと思います。

ファクトフルネスの意味は「先入観や思い込みを排除したデータに基づいた視点」です。

人は思い込みや先入観で、いろいろなことの認識を誤ることがあります。この本はそれを10の思い込みということで「10の本能」として紹介しています。

その中のひとつに「ネガティブ本能」というものがあり、「世界はより悪くなっている」という思い込みがあるということです。

世界は発展途上国と先進国の2つに分かれていると思い込んでいる人は今でも大多数を占めるのではないでしょうか。

著者はデータやグラフなど視覚的な資料を使ってこれが間違った思い込みであることを説明していくのですが、私自身もこの本を読むまではそのことに気づいていませんでした。

世界は4つに分けることができ、それぞれ段階を経て貧困状態から裕福なステージに上がっていくと説明しています。

20年前、世界の人口の29%が極度の貧困の中で生活していましたが、2017年には9%にも下がっています。また世界の平均寿命は2017年には72歳になっています。

この事実だけでも明らかに、ここ数十年で世界が良い方向に変わっていることは明らかですが、恐らくそのことに気づいていない人が多いのではないでしょうか。

TVを観る人は減ってきていますが、TVで流れる情報だけを信じていると情報が偏っている可能性があり、悪い情報が多く流れるTVの情報をすべての情報として認知してしまうのでしょうか。

「パターン化の本能」という本能については、以下のような問いがありました。

世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
A 20%
B 50%
C 80%
答えは皆さんも想像してみてください。

世界の大多数の人、特に先進国と呼ばれる国に住んでいる人は特に思い込みや先入観で物事を見てしまっている可能性があり、この問題を間違える割合が高いようです。

パターン化の本能により、ビジネスの面で大きな機会損失をもたらしている可能性もあります。

例えとして、ある生活必需品を販売する会社が生理用品の企画を出し合ったときに、先進国の人は生理用品の小型化を望んでいるということで、小型化の話しで大いに盛り上がったそうです。

しかし、世界を4つに分ける視点でいくと一番貧困である4番目のステージを超えた数十億人の人たちがいる2番目、3番めのステージの人たちは小型化よりも、むしろ仕事中でも安心できる大型のものを望んでいるという事実がありました。

世界を2つに分けてしまっていたために出ててきた企画は4番目のステージの人たち向けの企画であり、人口でいくと2番目、3番目のステージの人たちの方が圧倒的に多いのです。それを見逃した機会損失は計り知れないということが書かれています。

このような思い込みによる失敗がさまざまなところで起きているのでしょうね。私もまずは自分の身の回りでこのような思い込みがないか見直してみようと思います。

次回、日本の家電製造業が他国のライバル企業に遅れを取った要因の考察をファクトフルネスを参考に考えてみたいと思います。
それではまたです。

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