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My favorites of 2023

もう、2024年もひと月が過ぎてしまったのか。昨年末の社長就任で、ただただ慌ただしくて、生活いやメンタルのリズムが変わってしまった。平常心を保つことがこれほど難しいとは。常に昨年始めた灯台巡りで出会った、上の写真のような崖の淵を歩いている感じがして。2023年は友の死や帯状疱疹で苦しみ、長男の公務員試験合格、次男の就職内定に喜び、最後に業績どん底状態での社長就任と色々あったなぁ。

では、遅ればせながら、毎年恒例の一年の振り返り、大晦日のツイートを詳しく解説して行こう。



1.Song…「美しい鰭」(スピッツ)

・「流れるぅ~まんま 流されたら♪」と、間違いなく昨年一番鼻歌で歌った曲だ。我らがスピッツが、劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影」の主題歌を歌うとは。昨年リリースのアルバム「ひみつスタジオ」にも収録されている。恥ずかしながら、「鰭(ひれ)」という漢字が読めなかった。ずっと「うろこ(鱗)」だと思っていた。

もちろん、鼻歌で歌うほどキャッチーなサビも魅力だが、何といってもAメロ出だしの3連符のリズムよ。最初に聴いた時、度肝を抜かれた。攻めてるなぁと。芸歴30年のバンドの曲がこれほど新鮮に感じるのは、このような常に新たな挑戦を続ける姿勢が大きいのでは。

それでいて、懐かしさを感じる歌詞とメロディーに変わらぬ草野さんの歌声、あぁ、また生で聴きたい。今年はライブ行きたいなぁ。

・次点:「踊り子」(Vaundy)...一昨年11月リリースの曲だが、個人的に昨年一番YouTubeで再生した曲だ。下で紹介するアルバムにも入っていて、ドライブの車内でも何十回と聞いていた。ベースのリズムと「とぅるるる とぅるるる とぅるる とぅるるる とぅるるる とぅるる♪」がもう頭から離れなくて。あとこの映像の小松菜奈が最高過ぎて、実は目が離れた女性が好きなもんで。


2.Album...「replica」(Vaundy)

・昨年とにかく耳にした曲がことごとく入った2枚組アルバムだ。まるでベスト盤のようで、タイアップ曲が何と半数も。上述の「踊り子」を始め、北川景子主演でかなり好きなドラマだった「女神の教室~リーガル青春白書~」の主題歌「まぶた」、一昨年の観客入れた本番一発の長回しの挑戦的なドラマ「ジャパニーズスタイル」の主題歌「瞳惚れ」、大人気アニメ「SPY×FAMILY」Season2のED「トドメの一撃 feat. Cory Wong」(PVの長澤まさみがカッコイイ!!)etc…

そして、圧巻は映画「正欲」主題歌の「呼吸のように」。映画は見てないが、朝井リョウさんの原作は読んでいるので、その世界観を表した素晴らしいバラードだ。アルバム全体はポップな曲が並ぶ中、これは心に沁みる。

・次点:「ひみつスタジオ」(スピッツ)...前作「見っけ」から約3年半ぶりのオリジナルアルバム。上述の「美しい鰭」を始め、劇場版「きのう何食べた?」主題歌の「大好物」、そして一番好きなのは、これぞスピッツって感じの「ときめきpart1」(映画「水は海に向かって流れる」主題歌)。55歳のオッサンを胸キュンさせる!?シンプルなラブソングって、凄過ぎない?


3.Live…「A PLACE IN THE SUN at 渚園 Summer of 1988」[劇場公開] (浜田省吾)

・実際に行ったライブではないが、映画館のド迫力の音響で見る映像はライブそのものだった。浜省の伝説の1988年夏の渚園での野外ライブ映像だ。このnoteの昨年5月の読書記録に詳しく書いたのでそちらを参照に。まさに俺の青春なんよ、この浜省が指を鳴らし歌う「路地裏の少年」は。

そして、30数年ぶりに聴いた「ラスト・ダンス」、今の自分と妻との関係を言い表しているようで、もう涙が止まらなかった。

「もう一度 やり直せたら…」
馬鹿だぜ そんな話は もう止めよう
僕が 僕である限り
何度 やっても 同じことの繰り返し

「ラスト・ダンス」(作詞:浜田省吾)

俺はいつまでたっても俺なんだよね。同じことを繰り返すのだろうか。

もう一度 踊っておくれ このままで
もう一度 口づけおくれ このままで

「ラスト・ダンス」(作詞:浜田省吾)

(下の映像はこの渚園ライブではなく、2011年のツアーのもの)

・次点:「PUFFY&奥田民生 岩船山クリフステージ#20」(2023/5/14 岩船山クリフステージ)...結局、昨年の実際のライブ参戦はこれのみだった。昨年4月の市議選を共に戦った仲間達と約12年ぶり(台風で途中中止だった鈴木雅之・大沢誉志幸以来)のクリフステージ参戦。

岩船山クリフステージ

今回も雨の中!?、いやぁ、PUFFYが最高だった。奥田民生がMCで「ヒット曲があるっていいよね~」と羨ましがっていたが、ホントみんなが知ってる曲が多いのでめっちゃ盛り上がった。もちろん、俺の一番好きな「カニ 食べ 行こう はにかんで 行こう♪」も初めて生で聴けた!!


4.Book…「少年と犬」(馳星周)

・生まれてこの方、動物を飼ったことのない自分でも、なぜ人は犬を飼うのか、というのが少し分かった小説だった。犬の持つ力、犬と人間が培ってきた絆の歴史を感じる、感動的な物語だった。詳しい感想はこちら。

読了後もずっと余韻が残ったままだったので、市内の中学校で開催した「ビブリオバトル出張講座」のデモンストレーションで発表もしたし。

もし今、犬を飼っていたら、どんなに癒されて勇気をもらえるかと想像してしまう。それほど、多聞という主人公の犬が、昨年読んだ小説の中で、No.1にカッコいいヒーローだったのだ。

・次点:「リボルバー」(原田マハ著)...この本をきっかけに、フィンセント・ファン・ゴッホに憑りつかれた一年だった。「ゴッホの死」の謎を追う物語だが、ゴッホとゴーギャンという画家二人の「孤高」ぶりが胸を打つ。詳しい感想はこちら。

ゴッホ展も観に行ったし、ゴッホ兄弟と日本人画商・林忠正を描いた、同じ原田マハさんの「たゆたえども沈まず」も読んだ。画家にも音楽家にもスポーツ選手にも「孤高」な人物は沢山いるが、とにかく、ゴッホがダントツで「孤高」なのよ。経営者になって、「孤独」は味わっているが、「気高さ」を意識して、ゴッホの「孤高」に近づきたい。


5.Drama…「フェンス」(WOWOW)

・米軍基地を抱える沖縄が舞台で、ある米兵による性的暴行事件を追う、という非常に重いテーマ、これは流石に地上波では出来ないなというWOWOWらしい攻めたドラマ。こういうヒリヒリしたドラマを見れることが、サッカーのためにだけWOWOWを契約したんじゃないというものよ。

とにかくドラマは脚本だ。野木亜紀子さんオリジナルの「ジェンダーや人種、世代間の違い、沖縄と本土、日本とアメリカなど、さまざまなフェンスを乗り越え、人と人が分かり合う姿を描き出す、『エンターテインメント・クライムサスペンス!?』」(WOWOW紹介文より)とな。ただの社会派ドラマに終わらず、次々と繰り広げられるスリリングな展開にグッと引き込まれた。

事件の真相を追う松岡茉優と宮本エリアナという二人の女性主人公の演技がとにかく素晴らしいのだが、沖縄県警の青木崇高もダメな男代表的な役柄なのに、沖縄の事情が絡み葛藤しつつも、正しいことをなそうとする演技がとても良かった。

WOWOWのドラマは、他にも湊かなえ原作の「落日」も凄く良かった。大河の茶々とは正反対の北川景子の抑えた演技が珠玉だったよ。

次点:「VIVANT」(TBS)…昨年のドラマでこれを挙げない訳には行かないだろう。スケール、話の展開、キャストの演技、ここ数年のドラマの中では、桁違いに凄かった。半沢直樹から続く日曜劇場のこの布陣には飽きが来ていたが、それとは一線を画していて面白かったなぁ。

単発ドラマなら、NHKの「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」の『親子とりかえばや』も良かったなぁ。思わず、藤子・F・不二雄のSF短編コミックス揃えちゃったよ。


6.Movie…「少年の君」(Amazon prime Video)

・結局昨年も映画館で見たのは、上で述べた浜省ライブ劇場版と「ドミノ」のみ。「ドミノ」を見るきっかけとなった、ホイチョイ馬場さんのYoutubeでの水田伸生監督との対談で、「ドミノ」と同様にこの「少年の君」をおすすめしたのでアマプラで見た。

中国での進学校(大学進学のためのエリート高校)でのいじめを題材にしている社会派映画なのだが、主人公二人のピュアな恋愛がせつな過ぎてむせび泣いてしまった。水田監督が絶賛している若き男女の俳優の演技が、ホント素晴らしいのよ。

圧巻は二人が台詞のない表情だけで語る拘置所での面会の場面、自分が観た映画史上No.1の無言シーンだと思う。壊れた蛇口の如く、止め処無く涙が溢れた。

・次点:「オットーという男」(アマプラ)…トム・ハンクスが頑固爺さんの役をやるようになったとは、俺も歳を取った訳だ。妻に先立たれ、正論を吐き続け、殻に閉じ籠り、町内の嫌われ者の頑固ジジイ・オットー、引っ越してきたお向かいの妊婦の奧さん・マリソル家族との交流で、少しずつ心を開いていく。

まるで、オットーは10年後の自分を見ているよう。お節介で空気を読まぬマリソルみたいな人物は苦手だが、そういう人が凝り固まった心をほぐしてくれるので大事なんだなと。


7.Sport…「遠藤航の我がリヴァプール加入、フラム戦同点弾からの躍進」(プレミア)

・当時日本代表のエースだったタキ(南野拓実)が我がリヴァプールに加入した時も嬉しかったが、代表キャプテンのワタル(遠藤航)が加わった喜びは如何様か。それも、タキはサラー・マネ・フィルミーノの強力3トップの控えだったが、ワタルはファビーニョ、ヘンドの去ったアンカーの即戦力として迎えられたのだ。

最初の数試合を見て、流石のブンデスのデュエル王でもプレミアのスピードと強度に慣れるには時間かかるか、と思っていた。ファビーニョでさえ、そうだったのだから。しかし、この12/3のフラム戦の途中出場でその流れが変わる。いや、遠藤自身の力で変えたのだ!!1点ビハインドの状況で、なぜ守備的な選手である遠藤を投入するのかと、多くの人が疑問に思ったのも束の間...

何と86分にサラーの落としを、冷静にインサイドでゴール右上へミドルシュートを決めたのだ。チームに勢いを呼び込み、その数分後にトレントの劇的な逆転弾で勝利を掴んだ、遠藤だけでなく今季のリヴァプールにとっても分岐点となった試合だった。

その後は、マクアリスタ―の怪我で出番が回ってくると、スタメン出場を続け、年末年始の過密日程での首位躍進の原動力となったんだもん、ホント凄いよ。つくづく、今、アジアカップに出場するために、チームを離れてるのが痛すぎる。もし、アジアカップが無かったら、日本人として初めて「世界のトップチームでの不動のレギュラー」の座を勝ち取っていたはずだから。

・次点:「WBC準決勝メキシコ戦逆転勝利の口火、9回裏大谷のヘルメット投げツーベース!!」(2023WBC)…「オオタニサン」で始まり、「オオタニサン」で終わった一年だった。あの一塁ベース手前でヘルメットを投げ捨て全力疾走、そして、2塁ベース上での04-05CL決勝でのジェラードを彷彿とさせる煽り、マジで痺れたよ。


8.Event…「長男公務員試験合格&次男就職内定」

・昨年2月に公務員を目指し一浪中の長男が埼玉県の某市役所に合格、6月には大学4年の次男がテレビの映像制作会社への派遣会社に内定。

長男も次男も、なんだかんだ言って初志を貫徹する凄い息子達だ。長男のように前の年に全滅だった試験に、一年かけてもう一度挑戦するなんて俺には出来ない。そして、もろコロナ禍の大学生活だった次男は、就活前に「何をやりたいのか、分からなくなった」と言ってたが、結局、大学進学時にそのための学部を選んで進んだ、憧れの業界に飛び込んだのだから凄いことだ。

次男の就職祝いで浦和の寿司屋後のファミレスでの二人

彼らの頑張りが、不調続きの2023年の自分のどれだけ励みになったことか。子育ては親育てだと言うけれど、ホント子ども達には勇気をもらってばかりだなぁ。

・次点:「社長就任!!」…昨年11月に業績どん底の状態で、家業の社長を父から引き継いだ。ホントは15年前の2009年頃に継ぐ予定だったが、リーマンショックが襲い会社倒産の危機に陥り、父が「こんな状態ではお前に申し訳なくて渡せない」と10年かけて会社を立て直した。だが、コロナで再び業績悪化、昨年9月決算では大幅な赤字。もう、高齢の父に負担はかけられないので、会社を畳むか悩みながらも自分が引き継いだ。

それからの数ヶ月は、日々資金繰りに追われ、冒頭で述べたような身を削られる毎日で…

先月の正月休みの最後に、アマプラで映画「アントニオ猪木を探して」を観た。作業員役の安田顕が仕事中に1996年のベイダー戦の映像に釘付けになり、そこに辻アナの実況が流れる。もう、今の自分の環境に照らし合わせたら、嗚咽が止まらなくなった。

「苦しくてもがいている、明日にも自殺しようとしている人がいるかもしれません! しかし、猪木は逆境から這い上がることを体現している訳であります!!」

1996年1月4日東京ドーム「アントニオ猪木VSビッグバン・ベイダー」戦の辻よしなりアナの実況

そうだ、どんなに苦しくとも、耐えて耐えて、猪木のようにカウント2.99で返し続けよう。そして、会社を立て直して、来年の今頃は楽しく2024年を振り返っていたいなぁ。頑張ろっ。

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