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2019年、ビートメイカーとしてやってよかったこと、16こ

はじめまして。
KUVIZM(キュビズム)と申します。

HIP HOPのラップの後ろで鳴っている音楽(演奏、バックトラック、ビート)を作っています。肩書は、ビートメイカーです。

2007年から楽曲制作をはじめて、
途中、会社員生活と音楽活動の両立が難しくて、
音楽活動をお休みすることがありました。

2018年秋頃から楽曲制作を再開しました。
今現在はゲーム会社でマーケティングの仕事をしながら、
音楽活動をしています。
2019年は、これまででもっとも音楽活動の密度が濃かったと思います。

このnoteは、
同じ様な境遇の人や、
これから活動を頑張っていこうと思われている方々(同志)に向けて、
何か有益な情報を共有できればと思い、
2019年にやってよかったことと大切だと思ったことを書きます。
告知や自慢をしたいわけではないので、具体的な作品名や数値は伏せます。

結構長いので、ゆっくりお付き合いいだけますと幸いでございます。

①有名無名問わず楽曲を聴きあさる

楽曲を聴くことでアレンジの引き出しが増える。
アレンジやミックスのリファレンス(参考)になる。
曲作りのスランプのときに、いい曲に出会うとモチベーションに繋がる。
(インプットを大量に流し込むとアウトプットにつながる)
ということに加えて、一緒に曲を作る人を見つけるという点も大きいです。

例えば、自分自身がまだスタート地点で、
これから業界で名を売りたいと考えている場合、
「有名な人にビートやバックトラックを使ってもらう、一緒に曲を作る」ことは、
敷居が高いのが実際です。
相手にとってメリットが少なく、
「知名度を利用したいのかな」とネガティブに映る場合が多い印象です。
相手が積み上げてきた知名度を都合よく利用するのは、
おこがましいですよね。

そこで、私自身が大切にしている視点は、
「相手の立場で、”して欲しい”と思うことは何かを想像する」です。

私自身はビートメイカーという立場ですが、
同じような境遇のラッパーさんの立場を想像したときに、
「知名度はまだなかったとしても、
実力のある人、魅力を感じる人と組んで、
お互いが一緒に評価されたら最高」

と思うのかなと思っています。

ラッパーさんもビートメイカーさんも、
知名度は高くなくても実力が高い人がすごくいます。
知名度にこだわらずたくさん曲を聴くということで、
新たな出会いが生まれてコラボレーションに繋がります。

ただ気をつけるべきこととして、
今の時代は、
ネットを通じて面識のない人と共作が始まるケースがありますが、
相手は「生身の人」ですので、
迷惑メールのようにみだりにオファーするのではなく、
曲をきちんと聴いた上で、相手に惹かれた点や、楽曲の感想、熱意を伝える
ということが大切だと考えています。

②レーベルからリリースすることにこだわらない&甘えない

会社員的な考え方だと、どこかに所属すると安心と思ったりしますが、
レーベル側にとって、作品をリリースするメリットがなければ、
リリースできないです。

今は、サブスクを含め、
初期費用ゼロで楽曲をリリースすることが可能なので、
「自分でまずは行動する」ことは大切だと思います。

2019年は、レーベルに頼らずに自主でリリースして、
ヒットした事例が多くありました。

基本レーベル等、誰かの手を借りて作品をリリースすることは、
掛け算だと考えています。
まずは掛ける元となる数字を、自分で証明することが大切だと感じます。

③自分が向いているプラットフォームを見定める

Apple MusicやSpotifyなどのサブスクをはじめ、
SoundCloudやYouTube、Twitterの埋め込み動画、Instagramなど、
発表の場は多岐にありますが、
全てで伸びる人もいれば、そうでない人も多くいます。
(SoundCloudは利用規約の変更で情勢が変わるかもですが、いまだにSoundCloudラップというジャンル等は根強くあると思います。)

あるプラットフォームでうまくいかなかったから、
楽曲がいまいちだったとあきらめるのではなく、
あの手この手で、発表方法を試す価値はとてもあると考えています。

④コンテストに応募する

コンテストに受賞すると、
プロフィールに実績を書けるというメリットの他に、
コンテスト開催者と接点が持てる場合があります。

私自身が参加したコンテストでは、
レコード会社の方や音楽雑誌編集部の方、
尊敬するクリエイターの方々と接点を持つことができ、
今でもその関係は続き、
アドバイスをいただいたり、
音楽リリースの際にサポートをしていただいたりしています。

⑤キュレーター、レーベル、ライター、イラストレーター、デザイナー、ビデオクリエイター、エンジニアの人たちと仲良くなる

音楽シーンは、曲を作る人だけではなく、
たくさんのポジションの人が関わることで成り立っているため、
上記だけでなく色んな人と親しくなることで、
一緒にシーンを盛り上げていけると考えています。

⑥目先のお金を優先しない

お金以上のチャンスがある案件は、
投資と考えて無償で参加する場合があります。

実際、それでチャンスをえることができたことがたくさんあります。
お金のために音楽をすることは否定していません。
ただ、目先の2万円よりも、先々の100万円の方が重要じゃないでしょうか。

⑦会社員をしながら音楽をすること、お金のこと

私の場合は、音楽だけで生活したら、
できる音楽は、
「お金のために作った音楽」
「精神的に余裕がない状況で作った音楽」

になると想定しています。(あくまで私の場合です。)

会社員をしながら音楽をすることは、
時間的な制約や、
仕事で疲れて音楽活動がままらないというデメリットは大きいですが、
経済的な確保することで、精神的な安定を得ることができ、
音楽の制作活動に集中できます。

会社員をやっていて得たものが、音楽活動にいかせることもあります。
ラッパーさんと会っていても、音楽活動以外の側面も魅力的な人は、
音楽も人間性も面白いと感じることが多かったです。

ただ、会社員をしながら音楽活動をすることは、
できて当然ではないので、
今の環境には感謝を忘れないように、と考えています。

⑧機材を揃える

「弘法筆を選ばず」という言葉や、
「高い道具を揃える前に自分の実力を上げるべきでは」
という意見もあるかと思いますが、
私自身は、機材に投資した分だけ制作スピードが上がりました。

「iPhoneのアプリだけで作った。」
「ガレージバンドだけで作った。」
「お金をかけずに作った。」
などなど、世の中にはありますが、
肝心なのは曲の内容で、あまり気にしなくて良いと考えています。
(否定ではないです。)

機材を買わずにロスした時間の代償の方が大きいと考えています。

⑨他人と比べない。年齢は気にしない。マイペースにやる

「若くしてデビュー」
「音楽活動開始わずか〇〇ヶ月」
などの触れ込みを見たり、
歳を重ねると、感性や能力が鈍るかも、
もう活動は遅いかも、と思ったりすることもありましたが、
気にしなくていいと思っています。

20歳前後でデビューして、その後、活動が穏やかになった人もいますし、2019年は30歳以上のクリエイター(キャリアの長短に関わらず)の方の
活躍がめざましかったです。

やはり、曲の内容で勝負すべきで、
あと、楽しくやり続けることが大切かなと思います。
何事も、自分と他人と比べないでマイペースにやっている人のほうが、幸せだと思います。

⑩SNSは「見られている」意識を持つ

SNSは誰でも利用できて、
個人の日常から、大企業の告知まで様々な情報が発信されていますが、
クリエイターやアーティストの立場として使うのであれば、
自分自身の欲求が満たされることよりも、
見ている人にどう見えるかを意識して使うこと
を、
優先すべきだと考えています。

そうなると投稿する内容は必然的に、
見ている人に有益な情報や楽しくなる情報、
クリエイターとしてのアピールする情報などになるかなと考えています。
(ただSNSの使い方は自由だと思います。)

⑪気が進まないないことはやらない、言わない

「〇〇が流行ってる」
「△△はみんなやってる」
「お前もやったほうがいいよ」
という情報が入っても、自分でしっくりとこなかったことは、
たいてい良い結果に結びつかず、後悔することが多かったです。
自分で考えること、そして自分の考えを大切にすることは重要だと考えています。

⑫提供した曲は、完成・発表までゆっくり待つ

ラッパーさんに渡した曲、ビート、バックトラックが、
その後1年ラップが乗らず完成しないのはザラです。
相手にはさまざまな事情があります。

提供した曲がどうなる考えるよりも、
新しい曲をどんどん作るべきだと考えるにしています。

⑬量をこなす

「たくさん曲を作ると、1曲1曲の密度が薄まるかも」
なんて考えることもありましたが、
クリエイターとしての成長は、やはり制作することが不可欠なので、
やはり大切です。

そして、やはり曲を出すことで活動が広がります。
「誰々(ラッパーさん)と曲を作った人」という事実があることで、
そのラッパーさんの知り合いの方等、
新しい楽曲提供につながったケースが多くあります。

私は一時期、
「作業の時間がたっぷり確保できて、集中できる環境・気分で、
ベストなコンディションじゃなきゃ作業がはかどらない」
と考えて、作業がおっくうになることもありましたが、
「ちょっとした時間を使って、ちょっとでも作業が進めばいいや」
くらいの軽い気持ちで、作業をすることも大切だと今は考えています。
1日ちょっとでも、積み重ねれば馬鹿にできないですし、
短い時間での作業で、フレーズやアレンジが思いつくこともあります。
毎日音楽に触れることでモチベーションの維持にもつながります。

ただ、無理に「音楽をやる」ことにこだわりすぎると、
モチベーションに悪影響をおよぼしかねないので、
無理しすぎないように、とは考えています。

⑭目標をたてる

結果がでないなと感じたら、
目標をたてるのがすごく大切だと思います。

そして、目標は具体的に、現実的なもので、
達成するまでの道のりも詳細に考えます。

そうすることで目標を逆算して行動したり、効率的に物事が進む場合が多くあります。
達成した項目をチェックしていくと、
自分自身の評価をできるので、自信にもつながります。

あと、自分にとって、目標なのか、目的なのか、手段なのか、
ということを掘り下げて考えると、
自分自身の行動をぶらさずに前に進むことができると考えています。

2019年は目標をたてたことで前進した実感があります。
2020年の目標もたてました。
よりがんばっていきたいと考えています。

⑮自分が何のために音楽をしているかを考える

他人と比べて落ち込んだりすることがあれば、
たいてい「自分が何のために音楽をしているか」が、
ぶれている場合が多いと感じます。

承認欲求か、社会的欲求か、お金か、
楽しいからか、いい曲ができたときの自己満足か。
人それぞれの答えがあるかと思います。

自分自身できちんと評価軸を持っていると、
気持ち的に安定した状態で音楽活動に臨めると考えています。

⑯音楽活動は長距離競走だと考える

私は、音楽活動は、
フィジカルとメンタルの健康、
家族や友人に囲まれた穏やかな日常生活などが
あってこそだと考えています。

ときには曲が作れなくてフラストレーションが溜まることもあれば、
量産できる時期もあります。

他人と比べると、自分は何も前進していないと感じることもあります。
けど、その他人は、表面上華々しく見えるだけで、
目に見えない、想像を絶する苦労をしているかもしれません。
人それぞれ音楽への向き合い方や、日常が異なるかと思います。

眠い時や仕事で疲れた時は、寝ますし、
作れない時は、無理して作りません。

これからも、自分なりに、
より長く続けていける方法・環境を築き上げていけたらと考えています。

長くなりましたが、
以上、「2019年にビートメイカーとしてやってよかったこと、16こ」
でした。
2020年は2020年でアップデートされるかと思います。

長文をお付き合いいただきありがとうございました。

KUVIZM

https://twitter.com/KUVIZM

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