インタビューは”不自然”→”自然”に向かうプロセス
インタビューの時間は、「不自然」から「自然」に向かっていくプロセスだと思います。
どういうことか?ちょっと書いてみます。
そもそも、インタビューとはめちゃくちゃ不自然な行為なわけです。
だって、初対面の人間同士が開始10分くらいで、人生の深い部分に触れる話や、その人が大切にしていることの話をしてくれているわけですから。例えば、今日一日のなかで、初対面の人にあなたの人生について語りましたか?きっと、YESと答えられる日の方が少ないと思うんです。インタビューって、そういう意味で、日常におけるとても「不自然」な時間だと思います。
ここがスタートポイントです。
インタビューは「不自然」からはじまる、ということですね。
だから、開始時点で多少ぎくしゃくするのは、初対面の人間同士だと思えば当たり前なわけです。
では、そのまま不自然なままでよいのか?
これは語り手の視点にたってもNOだと思います。
自分のLIFEに触れる話をするにおいて、やっぱり人は自然な自分で語りたいと思うです。不自然さを感じながら、居心地の悪さを感じながら、自分の大切な話をしたい人はあまりいないはずです。
だからインタビュアーは、語り手が「自然」に向かっていけるように工夫をする必要があります。互いが自然体でその場に存在して、語ることと聴くことがどちらもそのままの姿でいられるように。
そういう観点でいうと、アイスブレイクはとても重要です。インタビューにおけるアイスブレイクは「自然」に向かっていくプロセスの成否をほぼ決めてしまうくらいに大事な気がします。ここで50%は決まってしまうような。
ちなみに個人的には、ブレイクというよりはメルト(溶ける)に感覚は近いです。アイスブレイクではなく、アイスメルト。2人が徐々に馴染んでいく過程です。一足飛びに壊そうとするのではなく、ゆっくり連続的にほどけていく感じ。
そうやって、不自然から自然に歩いていき、とはいえ完全な「自然」に到達することは簡単ではないので、不自然と自然のあいだのどこかに着地する、それがインタビューで起きていることかなぁと思います。
だからこそ、序盤の10分間のアイスメルトの時間に、インタビューの本質的な部分が詰まっているような気が今はなんとなくしています。ここをミスると、インタビュー中の時間でなかなか「自然」な方に近づけないので。
書きながら、本当にインタビューって奥深くて、たのしいなぁと思います…!
24/06/22
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