見出し画像

今週読んだ本(1/23)

毎週土曜日は今週読んだ本をご紹介しようと思います(さっそく先週忘れてしまいましたが…)。

クウトクルという屋号は、「食う(クウ)=食べる」「ページを繰る(クル)=読む」という「人間を形づくる行為」について、理解を深めてもっとおもしろがりたいという思いでつくりました。なので、このエントリーは「読む」について一緒におもしろがれたらなぁと思ってます。

早速ご紹介します!

1.『反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット(みすず書房)

「農」のはじまりと聞いて何を思い浮かべますか?

縄文人が「1本の稲」を大地に植えたことからすべてがはじまった―――

「農」という発明によって人々はついに「定住」することができ、その結果「国家」が生まれ、人々はついに食料の不安からも解放されたのであった―――

なんか、こんなナレーションが聞こえてくるようなイメージありませんでしたか?

本書は「事実はそうではなかった」と言います。実は我々が「農」を営みのなかに組み込むはるか以前から、「定住」という生活スタイルをとっていた人はいて、反対に「農」を発明したらすぐに「国家」が誕生したかというとそれもまたどうやらそうでもない、と。(思ってたのとちがう!)

さらには、当時の人からしたら「農」よりも「狩猟採集」の方が実はコスパがよかったとか(え!)。

はるか昔、紀元前。それ以降の私たちの生活、考え方、社会の構造をふくむありとあらゆることを決定づける「その瞬間」を巡る「農」の歴史ノンフィクション。

こういうの大好きです。

ちなみに最近発売されたコチラもテーマが関連してそうなので読みたい↓


2.『ビジネスの未来――エコノミーにヒューマニティを取り戻す』山口周(プレジデント社)

『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』でも著名な山口周さんの新刊。タイトルを見たときは「よくある未来予測系」の本かと思ったのですが、大間違いでした。

「ビジネス」はその歴史的使命をすでに終えているのではないか?

本書は、この問いではじまり、1冊かけてこの問いへの答えを探します。

「ビジネス」により経済成長が牽引され、それにより物質的な豊かさを獲得した現代。その成長カーブはゆるやかになりほぼ横ばいの現代を「祝祭の高原」に達したと著者は言います。

その状態のなかで「さらなる経済成長」を目指すこと。これが、さまざまな摩擦や軋みを社会にもたらしているのではないか。

誰しも感じたことのある違和感。

大きなテーマであることには間違いないですが、

ここでぐーーっと「自分ごと」に焦点を持ってくるとおもしろいです。

いまこの社会で暮らしていて感じる個人の違和感と、本書が扱う世界的なマクロ視点と論理展開。これらを合わせ鏡のように対面で照らし合わせていくと、社会構造が個人的な違和感の生みの親であることを知り、「なるほどなぁ」と溜飲が下がる瞬間が何度もあります。

今この瞬間の利益ではなく、10年後100年後の仕事を考えていくときの一つの指針になるであろう一冊でした。

――――――

今週読んだ本はまた来週ご紹介いたします!

ちなみにインスタのアカウントでは、毎日一冊おすすめ本をお届けしています。気軽にフォローしてください~ 👇





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?