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本に風を通す

 映画のファーストデーだったが近くの映画館は観たいのがないし、かといって観たい映画はゴリゴリの都内でしかやっていないで、大人しく家にいることにした。
 というかいい加減、積み上がった本や雑誌、書類やアイデア書き殴ったメモやルーズリーフの整理と掃除をしなければならない。
 本を段毎に取り出してエアーダスターで塵を払いながら、ペラペラと捲っていく。

 本当に稀に、白胡麻ぐらいの小さな虫がいる。
 紙魚なんですけれども。

 本物を見るまでは紙魚って、本の『染み』のことを格好よく文学的に言っているのかと思っていた。
 まさか本当にいるとは思わなかった。
 大体一匹だけが、本の天の部分にいることが多いので布巾で取り除く。しかしたまに中に紛れている。いや、本来なら中にいるべきなんだろうけれど、天部分にいることが多いのは、私が本を開いていない証拠なんだろう。
 だからこの本に風を通す作業は、紙魚が中に入り込む機会を作っているのかもしれない。
 小まめに掃除をすればいい話なんだろうけれど。
 あと本の量を減らさないといけない。
 これでも結構減らしたけれど、雑誌もなかなか捨てられない。
 一定の周期でミニマリスト憧れが発動するので、そこで一気に減ることがある。その周期を待つしかない。

 紙魚とは違うが、上京仕立ての頃に住んでいた社宅では1階の角で陽がほとんど入らない部屋に住んでいたことがあった。湿気がかなり高く、隣の部屋では何もないのに、私の部屋だけドアの水滴が落ちて外まで漏れ出ているくらいのレベルであった。
 そのせいなのか。私の掃除管理が悪かったのか。

 スマホの液晶画面に付いている塵(0.1mmより小さいくらい)が動いているときがあった。

 それはもう鳥肌がものだった。
 その虫を調べたらチャタテムシがヒットした。
 おそらくこれなんだろうけれど、『チャタテムシは壁の中などでキシキシという音を立てる』みたいなことを実況動画で見た。
 だからチャタテムシじゃないのかもしれない。
 しかしまあ、チャタテムシだろうということにしておく。調べてもそれしか出てこないし。
 (※知っている方がいたら教えて下さい)

 湿気が原因らしいので、それ以来引越しの賃貸相談するときは湿気の有無が第一になっている。
 その次がトイレ風呂別。

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