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『運命の出会い』

「あ、すみません」
「こちらこそ、よそ見をしていて……」
「……あれ、何処かでお会いしたことありますか」
「え、あなたも? 私も今、そんな気がしていたんです……どこかで会ったことがあるな、って。でも全然思い出せないんです」
「僕もです…………もしかして、“前世”とか……」
「そうかもしれません……いえ、きっとそうですよ!」
 2人は手と手を取り合った。
 こんな運命的な出会い、きっと恋人同士だったに違いない。そう確信した。
「そうだ、この近くに前世を見てもらえる占いの店があるんです。見てもらいませんか?」
「ええ、是非!」
 2人はさっそく、その占い師のところへ向かった。

「どうでしょうか」
「……確かにお2人は前世に出会っています」占い師は答えた。
「やっぱり! どのような関係ですか」
「恋人同士ですよね!」

 占い師は告げた。
「歩行中に服の袖が触れ合った関係です」

【了】

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