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単発の小説

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単発の短編小説・ショートショートはこちらにまとめています。
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#ホラー

『古団地の鬼』

 これは実話なんですけれど。本当ですよ。少し聞いて下さいよ。すぐに済みますから。  4歳…

『父の告白』

 浩太、今日はお前に伝えなくてはいけないことがある。実は父さんは、お前の本当の父さんじゃ…

『ことりの集会』

〇月×日 日曜日  ことりの集会は、金曜日にあるんだそうです。  地区の集まりで、神社で花…

『兄の愛した〈彼女〉』

※約4300文字小説です。  ♦︎4号室の悲劇♦︎  兄が自ら命を絶った。  東京の一人暮ら…

『今宵、月の兎は何を搗く?』

 綺麗なお月さんだねえ。しかしこんな時間に、こんな所を歩いてたら危ないよ。最近この辺り、…

『足跡売り』

※約7300字小説です。 1.足跡 夜、残業帰りに雪道を歩いていると妙な足跡を見つけた。  そ…

『秘密』

 これは、俺がまだ共学の高校の養護教諭をしていた頃の話だ。  その日、俺はわざわざ手書きで『保健だより』を作成していた。ワープロで作ればいいのものを、PTAのたったの1名、本当にたったの一人だけが「手書きの方が温かさがあって良い」とくだらないクレームを入れたのだ。  一人しか申し出ていないのだから、適当に流せば良いのものを、そのときの校長はへいこらと頭を下げて受け入れたのだ。  ふざけた話だと抗議をしたが、俺の抵抗はむなしく却下された。仕方がなく指示に従い、納得いかないまま

『だるまさんがころんだ』

 ノスタルジーという感情がある。  『なんだか懐かしい』という感覚のことだ。  よく耳にす…