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#454 幸せな転職のために必要な当たり前のこと 〜『令和4年度版労働経済白書』を読んで〜

9月6日に公表された『労働経済白書』を読んだら、先週の投稿を裏付けるようなデータがあったので、メモ。


1、どんな内容?

9月6日に公表された「労働経済白書」です。「はじめに」から概要を引用します。

「令和4年版労働経済の分析」では、第I部「労働経済の推移と特徴」において、2021 年 の労働経済をめぐる動向を分析するとともに、第II部において、「労働者の主体的なキャリア 形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題」と題し、今後、労働者一人ひとりの持つ 能力を最大限発揮することが求められる我が国における、労働者の主体的なキャリア形成への 支援を通じた労働移動の促進に向けた課題を分析している。


で、先週の投稿はこちら。題名の「意識」とは以下2つでした。

☑️「会社に頼らず自らキャリアを設計して作っていく(いかなければならない)という意識」
☑️「転職はゴールではなく、スタートだという意識」


つまり、両者は「労働者の主体的なキャリア 形成」を取り上げた点で共通しています。


2、日本におけるキャリア形成の現状

300ページにもなる同白書から、上記に関連するデータをいくつかご紹介します。

まず、日本における転職入職率の推移を見てみましょう。
女性やパートタイム労働者では高まっているものの、男性や一般労働者を含めた労働者全 体では大きく高まってはいないことが分かります。

次に、転職希望者がどれくらいか、そのうち実際に転職活動しているのは、そして2年以内に実際に転職したのはどれくらいかをみたデータです。
男女では女性が多く、年齢が上がるに従い減少しています。
役職別では係長・主任、課長クラスが実際に活動、転職する割合が低いことが分かります。


先週の関連でいえば、「キャリアを自ら作っていくのだ」という意識が必要だという私の主張(というか所感)を裏付けるものがありました。

まず、「キャリア見通しができている人」の方が、そうでない人に比べて2年以内に転職する確率が高くなる傾向がある、というデータです。


転職はゴールではありません。大事なのは転職後、です。
その点でも、転職前に「キャリア形成の見通しができている人」の方が転職後の満足度が高いことがデータで示されています。
(ちょっと見えにくいのですが、3つあるグラフのうち、左が「転職後における仕事の満足度」が縦軸、「転職前のキャリアの見通しの状況」を横軸にしたもので、赤い点が平均点です。右に行くほど満足度が高くなっており、事前にしっかりキャリアを考えている人ほど、転職後の満足度が高いことが分かります。なお、中央のグラフが「仕事を通じた成長実感」、右が「ワークエンゲージメント」ですが、いずれも転職前からキャリアをしっかりと見通している=考えていると高くなることが分かります)


3、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

他にも興味深いデータが多くあるのですが、先週があまりにもグチっぽかった内容でしたので、私のグチがそこまで的外れでないことを示してくれるデータに絞ってご紹介しました。

ですので、今一度、今度は自信を持って言います。

転職するなら大事な意識は以下の2つ。

☑️「会社に頼らず自らキャリアを設計して作っていく(いかなければならない)という意識」
☑️「転職はゴールではなく、スタートだという意識」

それがなくて、転職すると、転職後満足度は低くなります。
そう、「会社が何もしてくれない」と言っているだけ、になりかねません。


これって、言い方を変えると、

今困っていることや上手くいかないこと、気に入らないこと、は転職したって変わらない、ということ、だと思います。

マイナスを消そうと思って転職するのではなく、プラスをさらに伸ばそうと思って転職する、そんな「意識」こそ大事、なのかもしれませんね。


最後までお読みいただきありがとうございました。

少しはデータに裏付けられた、私の主観、でしたが、どこか参考になるところがあれば幸いです。



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