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恐るべしミルクティー

一度だけ、「ミルクティー好きそう」と言われたことがある。

それがいつどこで誰から発せられたのか、とんと思い出せないけれど、そんなことがあった。

私がそれをやたらと覚えているのは、ミルクティーというものが、ある種のイメージをもたらしやすいものだからだろう。

優しい、柔らかい、ほっこり、のような。

決して悪い感じはしない。白いカップに注がれたあたたかみのある薄茶色は、辺りの空気を和ませる。

その通りだったらどんなにいいだろうと思った。

☕︎☕︎☕︎

「お砂糖とミルクは?」

「あ、いらないです」

普段の自分はいつもこうだ。コーヒーもブラックが多いし、ラテやカプチーノもほとんど飲まない。

だいたいにおいてストレートが好き。
紅茶はとくにそう。

クリアで明るい茶色の液体を、私はいつも愛している。

でもごくたまに、うらやましくなる。

B'zの名曲「恋心」の出だしの歌詞は「彼女はいつもミルクティー」だ。

これがストレートティーだと、字余りだしなんとなく格好がつかない。レモンティーでもちょっと違う。

その「なんとなく」や「ちょっと」が、ミルクティーの底力を表している。

恐るべし、ミルクティー。




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