この冬の旅、とか。
今なら書いていいかな。
一生忘れられないだろう冬の話。
顛末はこちら。
ただこの時の気持ちを残しておきたいから書くのであって戻りたいとかでは全くない事だけ。
彼女からもらった言葉ややりとりは沢山あって、LINEなんか読み返したら何日かかるだろうってくらいずっと「お話」してた。そんな中で通話が何時間もあってどんな話してたかな。話題がなくなれば「今何考えてる?」って言い出したのは彼女で俺も真似したっけ。
最初の頃は昔のハンドルネームで呼び合ってたけど、抵抗なくなっていつの間にかお互いの名前で呼び合ってた。名前で呼び始めたあたりで恋がはじまったのかもしれない。
彼女から教えてもらった本を読んで感想の言い合いした。最初に読んだのは「恋愛中毒」であとはジョングレイ博士の本とか読んだな。本読んで少し男女の事が分かった気がしたけど、まだまだ全然だよな。映画の「ハル」の事noteに書いたらすぐ見てくれて「劇場」教えてもらってすぐ観た。こじらせた主人公って結構昔の俺だなって思った。
「愛がなんだ」の話もした。
ある日、会社の帰りに月が綺麗で彼女にどうしても見せたくて撮ってみたけど伝わらないって画像送ったら、私も同じ月見たいって言って車から無理矢理撮って送ってくれたっけ。月が綺麗で見せたいって愛だよねって話したな。
LINEのやりとりはじめた最初はなんでそんなずっと慕ってくれてるのかよく分からなくて、昔と俺があまりにも違うから本当に本人?って何回も聞かれたけど、今のほうが良いって言ってくれたっけ。昔のほうが彼女が憧れた俺だったかもしれない。
昔電話してて連絡取れなくなった事凄い気にしてて、私何かした?って聞かれたから十何年も気にしててくれたんだなぁと思った。その心残りはもう無くなった。
寝不足になるから早く寝ないとって言いながらずっと通話したっけ。いい歳の2人なのに。寝不足で眠いーって仕事中LINEしあったりして。彼女が夜勤の日はなるべく起きてて仮眠時間になるまで起きてるって言ったら先寝ていいよ、って。でも夜勤の夜はネガティブな事多いから言葉をたくさんあげた気がする。今思えば言葉だけだったのかな。分からないな。
俺の誕生日の日、夜に家族でごはん食べ行ったらnoteに不安綴られてたからまた言葉をたくさんあげた。
でも彼女とのやりとりの中でやっぱり俺も不安を感じる事があってそんな時は言葉をもらった。
彼女の嬉しいや楽しいがいつも俺の嬉しい楽しいになってた。
いつ2人は喧嘩するんだろうねって話してたけど喧嘩する程仲良くなれたかな。分からないな。最後は喧嘩だったのかな。
今の歳でこんな10代みたいな恋すると思わなかったな。
会いに行くまで毎日カウントダウンして。
不安が先に来てたのも事実だけどやっぱり楽しみで。
会いに行った日は飛行機遅れてめちゃくちゃ待たせた。約束で女の子待たせた事ここ数年なかったからめちゃくちゃ焦った。
お店の候補は俺がいくつか出して彼女が選んだ。
写真はもらってたけどはじめて会った彼女は大人になっていてとても綺麗で可愛かった。10代の頃、一度だけ見た彼女とは全く違ってて驚いたな。当たり前か。
広い店内に2人きりで「もう少しガヤガヤしてるといいね」って。
なんかあまりにも2人でいる時間が非日常過ぎて言葉が出なかったな。見つめると見つめ返してきたから勝負してる?って。
料理取り分けてくれたから「取り分けるタイプ?」って聞いたら全然って。まあそうだろうなって思ったけど取り分けてくれたのは嬉しかったな。
途中Eさんの結末の話になって涙がこぼれた。お酒入ってたし、この話誰かにするのはじめてだったから。
お店出て雪が降ってて「手寒い」って言って彼女と手繋いでカラオケ行った。
ただカラオケで心の準備も何もないのにキスしてしまってこの事がずっと彼女を悩ませてるって気づけなかった。
彼女が歌ってた曲をいくつか覚えててその選曲はまだちょっと自分を感傷的にさせる。
タクシーに乗って駅に戻って別れて。
次の日朝から厳島神社へ。朝から雪がちらついてた。
同じ電車に乗ってたみたいだけど、会えなくて駅で彼女が待ってた。
フェリーは平日だけど観光客でいっぱいで。
水族館へ行こうって話してたから水族館へ向かった。一つずつ水槽全部見てこんなに満喫してる2人いないんじゃないかってくらい。
途中大きい水槽があってその中でどの魚になりたい?って聞いたら1匹だけの魚を選んで集団は苦手って言ってたっけ。
水族館出て厳島を少し歩いてもみじ揚げ食べて俺があんこで彼女がチーズ。youtubeで見てた有名なお店で2人並んで食べた。あったかい所きたから鼻水出るねって2人で鼻かんでた。
厳島の行こうとしてたカフェが早じまいだったから駅に戻るためにフェリーへ乗った。
フェリーの中で彼女の手があまりにも冷たかったから、握ってあっためてた。「赤ちゃんみたいにあったかい、眠たいの?」って言われたかな。ずっと握ってて暖まったから「その温もり一生覚えておいて」って言ったけどもう忘れてそうだな。
電車に乗ると雪が凄い降ってて隣に彼女が座ってるのになんか儚かった。
誰と居ても最初で最後かなって思うようになったのはいつからだろう
駅に戻って近くの彼女が昔から知ってるお好み焼き屋に入ってカウンターで2人で並んで食べてた。有名なお店行くより嬉しかったし美味しかった。だって彼女の日常に溶け込めたんだもんな。
注文は俺がスペシャルで彼女が豚玉。彼女に牡蠣と海老を分けて。おばちゃんが一気に何枚か焼いてくれたのだから彼女の所にイカが混じってて「イカ入ってる」って。
背もたれない椅子でもピシッとしてるから姿勢いつも良いねって言ったらよく言われるって。
テレビで流れてた地元の放送局の番組がなんか懐かしかった。
お好み焼き屋出て「エキニシ」の飲み屋街へ。
どこ入るって迷って適当に入ったお店の2階で2人で飲んでた。
彼女の名前の由来とか色んな話してて、丁度流れてた有線が自分達の世代の曲が多かったから、横揺れしてた彼女が可愛いなって思ってた。曲にまつわるエピソードなんかもちょこっと聞けたな。
お互いの仕事の話になって彼女の仕事は責任も伴うし、世間から見たら賞賛されるような仕事だけど、その中でも今の職場でもう少しやりがいがあるといいなって意見が一致すると「意識高い話しちゃったね」って彼女が言って。
いつの間にか他のお客さんが居なくなってて2人だけの世界だった。
指の長さの話になって、彼女の細長い指と俺の手合わせたら指短いねって容赦なく言われた。普段あんまり人に見せないけど筋トレしてて腕が太いので調子乗って見せたりしたな。
そこで何か彼女の琴線に触れたのかそのあとに2人だけの場所行きたいって言われて。
お酒飲み過ぎたしそんな事言われると思ってなかったから、迷った。少し一緒に居てそんなタイプじゃないのは彼女を見てたら分かるから。
迷ってるうちにやっぱり飲んでようになって、少しホッとしたけどやっぱり好きな人の全部見ておきたいって思ったから「今日は帰したくないな」って言ったけど帰るって言うから押さなかった。
自信とメンタル戻ってたらもうちょっと言葉でなんとかしただろうなって思う。
帰る時間が来て「キスしていい?」って聞いたら受け入れてくれた。駅に戻ろうとしたら彼女が手繋いできて、改札前で急にハグされて。恥ずかしかったのか電車の時間だったのかロングスカートにヒールあるブーツだったのに小走りで降りてったのはなんか可愛かった。
3日目は彼女の提案と車で筆影山と尾道へ。
ホテルまで迎えにきてくれて彼女の車でドライブ。
運転が好きだという彼女は車での遠出の話は何回も聞いてたしやりとりしてた時も遠出してたからウキウキしながら運転してた。
彼女の通勤中や帰宅中もたまに車の中から通話してたからその車に乗る日がくると思わなかったな。
車に乗りながら地元の話たくさん聞かせてくれた。色んな所通ってエピソードがあって、昔付き合ってた人の思い出なんかも聞かせてくれた。本当に彼女の地元なんだなって不思議な気分になった。
途中信号待ちで彼女の横顔見てたらこっち向いて見つめ返してくるから発進遅れて「罠だった」って言われて笑った。そんな事まで思い出した。
筆影山の展望スペースまでは急な坂道でイニDだなーって。対向車きたらバック出来ないって言ってたけど幸い対向車こなくてすんなりいけた。
ここで崖下落ちたらなんでこの無関係そうな2人がこんなとこで亡くなったんだろうねってなっちゃうなって話したな。
駐車スペースへ着いて少し歩いて頂上へ。結構な坂で有酸素あんましないって話してたから有酸素したほうがいいよー、血圧心配だからって。いつも気にしてくれてた。
筆影山からの景色は綺麗だった。見た事ないような景色と彼女の横顔。いつか忘れるかな。分かんないな。
トゲトゲのつたにダウンがひっかかって一歩下がって言って取ってあげたな。
飛行機の時間があるから空港寄りの尾道までドライブ。
尾道で車止めて千光寺へ行った。行きはロープウェイで頂上まで。恋人の聖地って書いてあったけど恋人って言葉に触れるの怖くて言葉にはしなかった。
展望スペースからもまた眺めがよくて神秘的だった。
帰りは歩いて降りて登山が趣味の一つの彼女はスタスタ降りてったけど、降りるまで時間かかったな。
そのあとは少し寂れた商店街のカフェでごはん食べて。俺は日替わりランチで彼女はぜんざい食べてた。ぜんざいの写真撮ってたな。
ご飯食べてる時の彼女はなんか綺麗だった。こういう言い方嫌がられるかもしれないけど育ちかなとも思った。
次どこ行くってスマホで探したけど車で行くような所なくて商店街往復してた。彼女ちょっとつまらなさそうだったけど付き合ってくれてたな。
飛行機の時間が近付いてきたので飛行場までドライブ。
「明日から頑張れそう?」って聞いたら「うん」って笑顔で。
なんかもう俺遊んで暮らしてるみたいだなって言ったらその通りだよって笑った。
帰りのドライブは懐かしい音楽かけて。
俺が外の景色に見とれてたら「〇〇くん!今何考えてる?」って急に大きな声で言われて寝てたと思われたかも。
「幸せな時間だなと思いまして」って言って。だって彼女が隣にいてあまりにもおだやかな時間が流れてたから。
陽が少し落ちて切ないねって彼女が言って。
飛行場についてキスだけせがんだらしてくれたけど、多分強引だったな。
いつでも会いにこられるって言ったけどその言葉を自分でどこか信じ切れなかったのはこの結末が待っていたからかもしれない。
帰りの飛行機で読みかけだった彼女と最後に話してた本を読んだ。
その感想は後日ちゃんと伝えられた。
突き放しすぎて最後はちょっと混乱させちゃってたな。でも彼女のためというより俺もたぶんそうしないと割り切れなかったんだと思う。
最後はいつかまた仲良くしてもいいと思ったら仲良くしてねって言われた。いつになるか分からないけど、気持ちがちゃんと仕舞えたら今度は俺が探して話しかけようと思う。何十年も追いかけてくれたしな。
「あの夜には戻らない」って事が沢山あって思い出を抱えたまんま生きてるのはみんな同じなんだから、俺だけがいつまでも思い出にひたってる必要はないんだと思う。
強がってるけど切なくなるし涙はこぼれてしまうんだけど、そんな忘れられない冬の話。
雪が降る度思い出すんだろうな。
出来るだけ時間をかけて景色を見ておくよ
振り返る君の居る景色を
君と出会えて 本当に良かった
同じ季節が巡る
僕の右ポケットに しまってた思い出は
やっぱりしまって歩くよ
君の居ない道を
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