「リーダー」を超える「メタリーダー」を育てる~遠隔・在宅で「発明塾」式が、より重要になる
こんにちは。楠浦です。
少し前の記事で、
「企業内発明塾では、在宅・遠隔でも、全く問題なく成果が出る」
というお話をしました。既に何年も前から遠隔運営に切り替えており、また、設立当初から、弊社の運営同様、仕組みとしては遠隔で運営できるようにしていましたから、ということを理由に挙げておりました。
正確には、そもそも
「発明塾式」
の様々な手法や考え方自体が、私が完全在宅で会社を運営するところから出てきたものであり、遠隔や在宅が、発明塾の
「前提条件」
になっているからだ、と言えるでしょう。
「完全遠隔・完全在宅での、組織運営の難しさ」
については、今回のCOVID-19への対応を通じ、多くの方が体験済みのようです。弊社にも、いろいろなご相談があります。
そういった方への説明に用いている、参考になる資料をご紹介しておきます。
●(書籍)「なぜ、弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン他)
副題に、
「すべての人が自己変革に取り組む、発達指向型組織を作る」
とあり、発明塾が目指すところに近いことが書いてありそうだな、ということで、たぶん1-2年ほど前に購入した本です。数カ月前に、本の山から発掘して読みました(笑
この本を紹介した際、ある方から
「なぜ、組織は弱さを見せあえないのか」
という問いが正しいのではないか、というコメントもいただきました。そう感じた方も、ぜひお読みくださいませ。
ネタバレになってもつまらないので、発明塾式の手法や考えを、端的に表現している部分を、抜粋・解説します。
この本のネタ本の一つは、おそらく、次に紹介する、(投資ファンド)ブリッジウォーター創設者の、
「レイ・ダリオ」
の著書だと思われるのですが、彼の言葉の一つは、発明塾で私が普段お話していることと、全く同じです。
「あなたは、自分がどれくらい優れているかと、どのくらい早いペースで学習しているかの、どちらをより心配しているのか?」
(pp.69, 第1版)
この本の別のところで、ブリッジウォーター式として
「イシュー・ログ」
の話が出てきます。問題点はすべて書き出しておけ、とする決まりがあるようです。
発明塾では
「発明ログ」
として、発明に関わる全てを書き残しておけ、としてあります。その理由の一つは
「どのぐらい速いペースで、自身の発明能力の向上が進んでいるか」
を確認し、確実に成長するため、です。失敗も含め、書き留めておくことが重要です。学生版発明塾では、毎回、そのログをもとに、自身で
「マニュアル」
を作成してくることを義務付けていました。これを怠らなかった学生は皆、飛躍的な成長を遂げ、すぐに他の塾生を指導するようになりました。
発明の各プロセスにおいては、一般論で考えると
「矛盾する」
考え方や手法を、上手く使い分ける必要があります。
例えばエッジ情報探索において
「最先端の情報に注目しよう」
と言っていますが、別のところでは
「大元の思想や特許へ遡り、深掘りしよう」
と言っています。完全に矛盾しています。
これらをうまく使い分け、目の前にある
「なすべきこと」
を複数の視点で解きほぐし、正しくかじ取りしていく能力が必要とされます。
本書によると、これができる人は
「メタリーダー」(自己変容型知性の持ち主)
ということになるようです。
ある瞬間は、自身の手法、価値観に従いつつも、その限界を知り、それを超えた状況では、新たな手法や価値観を自らの中に生み出し、前進できる人、ということだと認識しています。
この理解が正しければ、それは、発明塾で教えていることそのものです。
●(書籍)「PRINCIPLES(プリンシプルズ)」(レイ・ダリオ)
最初におことわりしておくと、私はまだ、日本語版を全て読めていません。私が読んだのは、5年ほど前に、レイ・ダリオがHPで公開していた、英語版のゲラ(?)です。ずっとそれを読んでいたのですが、最近、日本語版があることを知り、購入しました(笑)。
先に紹介した書籍の
「ネタ本」
の一つではないか、と書いたのは、以下の記載があるからです。
「徹底的にオープンになり、徹底的にさらけ出すことは、短時間で学び上手に変わるために不可欠だ」
(pp.158, 第1版)
発明塾OGOB、および、弊社OBOGは耳タコだと思いますが、私は
「すべてを書き残しておきなさい」
と、繰り返し繰り返し、伝えます。これができた人は、飛躍的に成長し、これができなかった人は、あまり成長できなかった、という数多くの事例を見てきているからです。
レイ・ダリオが、上記の点において、同じ考え方であることを知ったのは、上記、5年ほど前の英語版のゲラを読んだ時ですが、その時から、塾生さんには、
「これ読んでおいたら」
と勧めてきました。
他にも、近い考えを持っているのではないかと思わせる記載があります。
「素晴らしいコラボレーションはジャズ演奏みたいだ」
(pp398, 第1版)
そのうち、企業内の
「チームマネジメントに関する研修」
において
「ジャズ演奏の研修が必須になる」
時代が来る、と、私は真面目に考えています。
少なくとも、すべての大学で教えたほうが良いと思っています。
音楽理論の細かいことは置いておいて、
「ジャズ」
というものを体験することで、違うものが見えてくると思いますから。
楠浦 拝
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