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薬学博士が、コーヒーのブース出店をやってみて分かったこと


「小田さんって一体何者???」と、よく言われます 笑

ただでさえ、薬のプロとして異質なキャリアを歩いているのに、そこに全然関係のないコーヒーのキャリアを並行させているのだから。

薬のプロとしてのキャリアは、note での最初の記事「はじめに」を参照して頂くとして、僕は2010年頃、岡山大学の学生の時にコーヒー好きに目覚め、コーヒーの奥深さや、周りにふるまう楽しさにはまりました。

そしていつしか、コーヒー屋を開業したいと本気で思うようになり、あらゆる道筋を考えながら開業準備をしてきました。

今回の記事は、薬のプロとして歩いてきた僕が、大好きなコーヒーの魅力を伝えるためにどうすればいいかを本気で悩み考え奮闘してきた、そんなコーヒー活動のお話☕️


何も芽が出ないところから始まった


自分の好きを仕事にするために、僕は常に自分と向き合い自己分析を深めながら、行動してきました。10年前も今も、コーヒーに関して僕がとても思うのは、みんなまだまだ本当に美味しいコーヒーを知らないということ。

僕が周りに、コーヒーを毎日ドリップして楽しんでいることを言うと、大抵「私は味の違いが分からないからなぁ~」と謙遜した言葉が返ってきます。でも、僕に言わせればそんなことはなくて、ちゃんとコーヒーと向き合っている専門店でコーヒーを飲めば、きっと感動すると思うんです。

コーヒーって本当においしい!!
味の幅が広いし、淹れ方ひとつでいろんな表情を見せてくれるし、友達と飲めば会話が弾みます。


4年ほど前、趣味のコーヒーから仕事レベルのコーヒーにチャレンジしてみようと、インスタ上にコーヒーカウント MirCo(ミルコ) を開設しました。

テーマは、「コーヒーがよく分からない人にコーヒーの魅力を伝えること」で、当初は既存のコーヒー屋の情報発信を主にやっていました。

ミルコの初期の投稿内容

ちなみに、MirCo(ミルコ)という名前は、Mirai (未来)と Coffee を合わせたもの。“未来” という概念が僕は好きで、未来のコーヒー屋への決断、決心がミルコに込められています。あと、響きが赤ちゃんっぽくてかわいいから😊

お分かりのように、SNS でのカフェ情報はすでに溢れかえっていて、フォロワー数千数万のインフルエンサーがたくさんいらっしゃいます。何より、「普通の人が出来てしまう」というのが大きな落とし穴で、世の中に価値を生み出して初めて仕事になるのに、普通の人が出来るならよっぽど突き抜けるか、違う角度でやっていかないと仕事になりません。

投稿を続けるも状況はほとんど変わらず、「人と違うことをしないと、世間に見つけてもらえないんだ」と、頭では分かっていてもこの時身に染みて実感しました。


自宅コーヒーイベントで得たもの


ミルコが生まれて間もない頃、僕はお友達が関わる事業を活用した自宅コーヒーイベントも始めました。


毎回企画を懸命に考え、平均して月1回一年間ほど続けたこのイベントは、ほぼ毎回定員5-6名の満席を頂き、人様にコーヒーを淹れること、おもてなしをすること、コミュニティを運営することが少しだけ分かった、素晴らしい経験になりました。

デジタルな情報発信、アナログな自宅コーヒーイベントの両輪で始まったミルコは、今思えば、この自宅コーヒーイベントが普通の人にはできない大きな実績となって、次のブース出店に繋がったように思います。


満を持して、コーヒーのブース出店に挑戦


今の状況を続けても変わらないと感じた僕は、ブース出店をやってみようと、出店の募集がないかネットで探しまくります。そうしてたまたま見つけたのが、町田での寺フェスというイベントでの出店でした。

先方の事務局からすれば、「お店を持っていないただのコーヒー好き」な訳で、とにかく熱意をぶつけようと一生懸命推敲してメールを送ったのを覚えています。先方がどう思われたのかは分かりませんが、自宅コーヒーイベントの実績には、大いに「変わった人だ」と思われたでしょうね笑

ロースターさんにコーヒー豆を使わせて頂く際にも、同じように熱意をぶつけました。残念ながら無視されてしまったお店もいくつかありますが、この時快くコーヒー豆の使用を許可して下さったのが、AND COFFEE ROASTERSさん、堀口珈琲さん、そして僕の地元兵庫のだるま珈琲さんでした。

お店としては実績のない私に、手を差し伸べて下さった上記のロースターさまには本当に感謝しています。どうもありがとうございます。

ブース出店は、本当に学びがたくさんありました。

・通りすがりの方が、いつもと違うコーヒーの美味しさに驚かれた
・安定して美味しいコーヒーを淹れるプロのバリスタは凄い
・「どこかでお店をされてるのですか?えっ普段薬剤師!??」
・リアルなお金の巡り
・単発出店で利益を出すのは至難の業
・利益よりも宣伝や実績の意味合いが強い
・やり続けることで、地域の固定客が生まれる
・ぶっちゃけとてつもない労力がかかる
・関わって下さった全ての方への感謝

正直、あまりの大変さに「もうブース出店はやりたくない…」と思っていたほどですが、十分すぎるほどの経験値が得られました。


一歩踏み出したことから、いろんな話が生まれた


初めてのブース出店の後、僕はお友達からの紹介でベンチャー企業での出張カフェ、来場数千人規模の北マルシェでのブース出店、フォロワーさん限定カフェ、町田寺フェス再出店などを果たします。


コーヒー業界の方々との繋がり


業界の方との繋がりも非常に増えていきました。
いろんなバリスタさんやロースターさんとお知り合いになれたのも嬉しかったのですが、大きかったのは、コーヒー界の偉人である大槻さんに覚えて頂けたことですね……

コロナ前、大きな波のように各地で広がった大規模コーヒーイベント “Coffee Festival” は、大槻さんが最初の発起人です。

確か初めてのブース出店後に、憧れであり大尊敬していた大槻さん(現在は所沢にお店をご準備中!!)に、今後のコーヒー活動について思い切って相談をしました(※初めて話しかけました)。

それ以降、ことあるごとに大槻さんに会いに行って、「またブース出店決まったんです!」とか、「フォロワー少ないですけど、フォロワーさん限定カフェやるんです!」とか、ちょっとでも覚えてほしい一心でアピールしていました。

大槻さんとの写真は、恐れ多すぎて、まだ撮れていないのです。


大槻さんもやれやれと思われたのか、店舗でのイベントやカクテルイベント等に、わざわざ DMで案内をして下さることがあり(きっと他の沢山のお友達にも送られてる)、メッセージが来た時はどんな時も正座して、すぐに返信しています笑

大槻さん、いつも本当にありがとうございます!!


コロナ禍になって、これからのこと


好きを仕事にするため、コーヒーの魅力を伝えるため、それなりに様々なことに挑戦してきた今までの行動は結局のところ、自分の人生のテストマーケティングだったなと思います。

どんな行動をすればどんな反応が返ってくるのか、自分の人生を最大化できる場所はどこなのか、自己分析を繰り返しノートに書き留め、必死に見定めてきたような、そんな感覚です。


今、コロナの時代になりました。
結論から言うと、僕のコーヒー屋開業の時期は先延ばしにしました。

僕が大事にしているのは、豊かな人間性です。コーヒー屋開業自体は簡単にできますが、コロナ禍で苦しい思いをしながら続けようとは思っていません。お客さんにその感情が伝わってしまう。豊かじゃない。

僕がコーヒー屋をオープンする時は、コロナが落ち着き、もしくは経営的にいけると判断し、コーヒーだけでなく音楽や美術、スポーツなど幅広い雑学を身につけ、心から、お客さんにコーヒーを楽しんでもらうおもてなしの準備ができた時です。


この時代にも、美味しいコーヒーを提供して下さっているカフェやバリスタの方々、本当にありがとうございます!!あなた方のおかげで、コーヒー文化やカフェ文化が衰退せずに済んでいます。


また未来で、お会いしましょう☕


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