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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第129号

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【特集】めんどくさいの塊、賃貸管理

あくの:さて今回は不動産人類最後の敵である「めんどくさい」に立ち向かう巨大な一代産業、「賃貸管理」にメスを入れたいと思います。私がいままで社内で眼を反らしてきた賃貸管理がいよいよ収集つかなくなり、爆発気味なので専門家のお二人に助けてもらえれば、と考えた次第です。

管理マン@kanri_man2103:ちょっとした規模の地場不動産屋で賃貸・管理(フロント)・売買いろいろやってきました。Xでは爽やかな情報発信を心がけています

電話子@denwakochan:修羅の国福岡から東京に来て、相変わらずクレーマーや愉快な入居者さんと楽しく賃貸管理やってます。東京に来てからは福岡ではあまり触ってなかった事業用の管理もやってます。

あくのふどうさん@yellowsheep:誰でも借りれる爆弾みたいな金利を資金調達と言い張るタイプの多重債務者。アモチと償却の隙間でワーキングコストをひねり出すバランスシート雑巾絞りのおっさんです。

管理マン:僭越ながら。よろしくお願いします。
電話子:よろしくお願いします。
あくの:助かります。なんか人間を大勢使う割にぜんぜん悩みが減らないんですよ
管理マン:管理業務上の悩みでしょうか。営業利益的な悩みでしょうか。
あくの:究極は後者なのでPMフィーが現在の5倍になればだいたい大丈夫です。ただ、いきなりそうはならないから、限られたコストの中で合理的に問題を解決する難しさに直面しています

あくの:(以前PMフィーは高くなる予言を数年前にしてたんですが、特段あがることはなく、サービスの質が低下したり、訪問回数が減ったり、と最低賃金であつまる人材のサファリパーク化してきてしまいました。

電話子:大変なことばかりで儲からないのが管理。
管理マン:基本の賃貸管理の収益構造はお賽銭集めなので、小さな町の神社なのか、〇〇大社とか、どのレベルを目指して小銭を集めるのか?という感じです。
あくの:一理ある。たしかに規模が大きくなれば解消することは結構あるように思います
管理マン:規模が大きくなるとつかう人数も増えるので、それが重いと思います。
あくの:人間、殴りたいです。ちょっと私のお悩みきいていただいていいですか
管理マン:はい。
電話子:はい。


①賃貸管理のここがツラい。「手間がすごい煩雑」

あくの:テナントの管理が面倒すぎる。騒音やゴミ出しのクレーム
電話子:面倒ですね
あくの:近隣や棟内の人間関係
電話子:面倒ですね
あくの:電話を切らないテナントの対応
電話子:面倒ですね
あくの:発狂しそうです
あくの:なんで社会のルール通り出来ないんですか、あいつら
管理マン:それは家賃とモラルが低い物件を受託しているからです。(つらい)
あくの:しにます。
管理マン:それぞれの課題にはソフト面とハード面の両サイドで解決を図っていくのですが、大家さんはソフト面(=おまえたち担当者の労働力)で解決をお求めなんですよね。
あくの:(おまえたち担当者の労働力)たしかに。結構ルールで縛りきれないじゃないですか。あれ、どの程度の線で対応するのが正解なんでしょうか
管理マン:話を聞かないとわからないこともあるし、杓子定規に対応できないですね。複合的なトラブルもありますし。ろくに話を聞かずに線引をしてしまうと、あとからお怒りを鎮めるのが大変だったりします。経験値と関係値でしょうか。でも、話を聞けば聞くほどに「あ、それうちは関係ないんで」とか言いづらくなるので、話からうまく離脱するのもスキルが必要ですね。
あくの:そしたら、これはある程度コミュニケーションする中で線引決めてくって感じにすればいいってことですよね
管理マン:そうですね。ヒアリングしながら「管理の範疇ではないけれどあの大家さんなら一肌脱いでもいいかな」とかもあります。あわよくば、そこからビジネスに派生すれば...なんてこともありえます。
あくの:理解しました。これは、じゃあ、ジャッジする権限を移譲してけばいけるな。お付き合いの程度を4段階くらいわけてこういう感じで判断して、ってつたえればいけますよね
管理マン:そうそう。商売なので相手へのエコヒイキ格付けはあったほうがいいかもしれません。
電話子:エコひいき格付け!
あくの:解決!!おし、次はこれです!

②賃貸管理のここがツラい。「お金の出入りが面倒すぎる」


あくの:契約代金、原状回復費、工務店への支払い。なんでこんなに出納が多いのですか。インボイスが拍車をかけてますけど、
あくの:家賃(収納代行)については管理ソフトの付け合せと保証会社でなんとかなりましたが、細かい入出金管理が結構あって、まあ、なんとか効率よく出納したいな、と思いまして。
電話子:例えば工事代など、工務店への支払いは相殺にするのか各大家さんの直接払いにするかで大きく変わってきます。通常は相殺支払いが多いと思います
あくの:なるほど。でも相殺すると仕訳増えるじゃないですか
電話子:増えます
あくの:増えると業務増えるじゃないですか
電話子:煩雑にはなります
あくの:減らせないんですか
電話子:前会社では工事支払いは立替えではなく自社が工務店の立場で請求書を発行していました
あくの:ほー。請負してるってこと?請負すると業務が増えませんか…?
電話子:利益が取りやすくなりますね
あくの:そっかー。だったらPMフィーを5%から7.5%にしたほうがいいような気がするんだけど
電話子:それはちょっと...
あくの:あー、まあ、請負の場合、工事の残高が増えれば成長する道があるのか…
電話子:そうですね
管理マン:「めんどくさい」を「お金に変える仕事」なので
あくの:じゃあ、出納については課金ポイント増やして、そこを部署化して資金回るようにするって感じですかね
管理マン:請負ができると売上も上がりますし、工務店の立場で商社と口座を持つことで資材調達も抑えられます。
あくの:一理ある!管理マンさんとこって自前の営繕部署もってってことですよね
管理マン:工事部門にある程度の人数はいますね
あくの:すげえ。戸数と月額の入出金額ってどんなきぼなんでしょう
管理マン:戸数は覚えているのですが、入出金額は把握していないです。。戸数は5,000くらいです。サブリースが1割ほど
あくの:6万円平均で3億くらい。うちの6倍くらいの規模感
管理マン:サブリースだけで1億以上の売上あったりします。
あくの:いちおくえん!!!。いいなー。まあ、お金の出入りにかかる所で課金するってのはありだけど、管理会社的な身分だと、工事費請負してお金もらうと、大家さんと利害が対立すると思うんですけど、それってどうやって解決するといいですかね
管理マン:譲れないものと、譲れるものとありますね。原状回復の精算で苦戦しそうなものなら譲れませんし、精算はクリーニングだけでグレードアップしたいというなら、どうぞーって感じですね。
あくの:そっか、そこも撤退ラインがあるんですね
管理マン:外部改修工事なんかは大きな仕事になるので、それが他社工事になるなら止めることはしないけれど「気持ちは離れちゃう」かなーって感じで。えこひいきヒエラルキーの底辺に振り分けちゃいますね。
電話子:えこひいきヒエラルキーの最底辺、すごいわかります
管理マン:夜のお店で女の子にドリンク飲ませないおっさんと一緒なんですよ。
あくの:家に居たほうがいいな、そのおっさん
管理マン:例えがわかりやすかったようでw
あくの:この課題は、ちょっと考えて線引します。工事費用で利益出すの違和感あるけど、クオリティは担保したいってのがあるので、選択として考えておかないとダメかも
管理マン:K◯Nのような高級な市場ならともかく、単純な管理料だけでは食べていけない構造なので。都心はまだ家賃が高い=管理料高いですが、地方だと工事に頼る部分は大きいと思います。
あくの:理解しました!よし!次いこう!

③賃貸管理のここがツラい。「管理スタッフの管理が面倒すぎる」

あくの:早口言葉みたいなお悩みですが、これです
電話子:なんかすみません
電話子:適正ないとすぐ居なくなってしまいますよね。
管理マン:僕が最前線で長らく頑張っているのは、最前線の兵士たちがどんどんと居なくなってしまうからです。
あくの:周りがいなくなって残っちゃったのか…。前に弊社に居た女性スタッフは、就業中に急に泣き出して帰ったりしてました…。
電話子:クレーマーにやられちゃったんですかね
管理マン:経営層からすると「属人性を排除する」ことが一番のテーマだと思います。
あくの:ただ、それだとさっきのジャッジする判断の所と、矛盾しませんか
管理マン:矛盾との戦いでもありますが、小規模〜成長段階だと属人性に頼るところはあって、裁量を現場に持たせることで円滑に回っていくのですが、どこかで属人性を排除する方向に持っていかないと行き詰まるんですね。これは管理に限らずですが、悪い面が2つあって
1.属人性によって自分の地位を確保してアグラをかく奴が出てくる
2.顧客から〇〇じゃなきゃ話が通じないとなると、会社の体をなさなくなり、担当者の退職とともに契約が打ち切られたり、担当者が異動をしても異動先で専業できなかったり、負荷が偏ったりします。
あくの:なるほど〜。これは体験を通じた経験値感じます。
管理マン:管理会社としての持続可能性を考えれば、経営層は属人性排除を意識しておいたほうがいいと思います。
あくの:理解しました。まあ、そのトラブルをまんべんなく解決できるようにしてもらうって感じなんかなー
管理マン:そのためには、成長段階から管理のパッケージを固めておいて、はみ出した要望にはお答えできないスタンスをなんとなく作っておかないと、属人性ワールドから抜けられなくなります。
あくの:場面によって男性が担当したほうがいい、みたいな属人性はあってもいいですよね
管理マン:それはありますね。逆もしかり、女性宅の在宅の対応だと男性スタッフに加えて女性スタッフにも同席をしていただいたほうがいいこともあります。
あくの:理解しました
管理マン:あと、、余談ですが精神的に力みなぎるタイプの方の対応のときは取り押さえる人と通報する人も一緒にいたほうが。。。
あくの:そんなことあるんですかw
管理マン:あります。上司は包丁で刺されそうになり、僕は別件で枝切りバサミで刺されそうになりました。
あくの:管理って社会で起きることがそのまま起きるからな…。
管理マン:そうですね。特に生活保護者の場合は半分公務員みたいなものなのですが、もう半分は厄介な成分でできている人も多いので、安定収入ではありますが物理的リスクでもありますね。
あくの:あの半公務員にツベコベ言われると電気流したくなります。(だいたいは昼間から酒飲んでてゆっくり系だけど

④賃貸管理のここがツラい。「課題が解決しない」

あくの:建物の修繕や改修で完全に解決しないことが多くないですか。特に建物を保有してる貸主側を抑える施策がないって思うことが多々有りまして。構造上の欠陥や修繕を限界まで放置したりする大家さんに電気流す方法ないですかね。
管理マン:車のメンテナンスで例えますけど、大家さんからすると、車検を出した時に、ディーラーから提示された「これだけやれば安心です!」というモリモリの見積もりに対して「車検が通るくらいの最低限の内容でいいよ」という主旨の返事が来る方が多いんですよね。管理会社としては「お前の言うとおりに直したのに不具合が出るとはなにごとか」と言われないように、言われてもリカバーできるようなボリューム(業者さんに泣きつける)の提案をしておくことで、将来の身を守ることになります。
ドケチな方だと結果的にタイヤが4本全部交換時期とメーカーが違うような顛末になるのですが。タイヤ交換手間とかバランスを考えたら一度に済ませたほうが快適だし、次の交換サイクルも一致しやすくて車も長持ちすると思うのですが、目先のお金を追いかけている方には響かないですね。
最初にあるべき姿を示して、それから逸れた発注をされた場合はあとからなにかあっても「あのとき僕は言いましたよね?」と言えるように伏線をはるようにしています。
そう考えると、過去の仕事は伏線だらけですね。
あくの:たとえば?
管理マン:台風で窓ガラスが割れて、藁にもすがるように僕にまで電話が来てなんとかしてくれ!と言われて、「応急処置ですからね!」といってベニヤ板を打ち付けたことがあるのですが、3年くらいそのままでしたね。応急処置が恒久処置になりがちでもあります。
あくの:ふきました
管理マン:割とそんなのが多いと思いますw 木造で35年くらい経ってくると「大規模修繕する?それとも建て替える?」なんて思案を【10年くらい】する人もいるので、応急処置が恒久的になりがちですw
あくの:めちゃ分かります、
管理マン:僕が15年前から担当している地主さんは当時から「このアパートはあと10年経ったら建て替えるから」と言ってましたが、15年経ったのにいまだに「10年後には建て替える」と言ってます。
あくの:わかり過ぎて首がもげます。私もこんな事がありました。

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