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撰石積記 voL.4 ~白保海岸の瞑想~

海辺で瞑想してみたかったので、やってみました。


ひとりの時間。

 業務で必要なものをメイクマン(ホームセンター) で買い込んだ。

 翌日からの業務の山場に備えて、その日は昼過ぎに解散となった。自分は菓子や飲み物を準備するために買い物に来た。それも終わった時点で、まだ日は高かった。

 そのときに、ふと。

 海をみたくなった。


白保海岸にて。

 石垣市街地から、東へ10キロくらいの場所に、白保海岸がある。

 1年前に石垣島を訪れたときに、立ち寄ったことがあった。だからなんとなく、もう一度行きたくなったのだ。

 白保海岸は、白い砂浜ではあるのだが、サンゴのかけらや石が転がっている。それもあってか、北部の川平湾のような名うての観光スポットと比べると、メジャーではなく、訪れる人もそこまで多くはない。

 この、コロナ情勢も相まって、なおさらだ。


 ひとりで海をみるには、ここがいいと思った。


海辺の瞑想。

 アスファルトの細道を進んだところで、ちょっとした空き地を見つけた。ちょうどよかったと、そこでクルマを留めた。

 クルマから降りると、森に囲まれた小道が現れる。

 まるでおとぎ話のようだ。


 耳には、かすかに。

 波の音が届いていた。


 低木の間を縫うように進む小道を行くと。

 視界が開けた。

 見たことのある、青い海。


 またここにきたのか。

 そう思うと、なんだかふと。

 その砂に、座りたくなった。


目を閉じると


 もはや聞こえるのは、波の声だけだ。

 不規則に響く、単調な音。


 響く音に耳を傾けていると。

 すべてが、一つになったような気がした。


 空も、海も、自分も。

 目を閉じた世界の中には。

 そこに境界がない。



 どれほど、そこに座っていたのかわからない。

 本当はもっと長く座っていたかったのだが、現実世界に引き戻されてしまった。


 突如として鳴り響く、携帯電話の音によって。



 なんとも、無粋なことだが仕方あるまい。

 また今度も、ここに来よう。


 境界の無い世界を。

 楽しむために。


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