大事な人
自分が誰かの大事な人であってほしい。
自分にとって大事な人がいてほしい。
ガンの手術、苦しかった抗癌剤治療、治療中止の決断、など
多くの試練を通過して今思うことは、
自分が大事に思われていることの幸せ。
今は誰の役にもたっていない私。
タクシー代やら何やら
治療費をザブザブ使うだけ。
あとはごろごろ
身の周りの家事を何とかこなすぐらい。
友人知人にもずいぶん
我がままを言った。
頭は自分のことでいっぱい。
相手の気持ちなど考えるゆとりはなかった。
疲れているから後にして、
今は会いたい気分ではないの、
など……。
そんな私を
家族や友人知人は
怒りもせず
あきれもせず、
大事に思ってくれている。
電話ひとつかけるのにも
私の体調を気遣い
電話をかけていいのだろうかと
悩み、迷い、
「電話などして迷惑かと悩んだけど」
「連絡もせずごめん。自分のことで頭いっぱいだったの」
「あなたは私にとって大事な人。声だけでも聞きたかったの」
学生時代の友人の言葉に胸が熱くなった。
中学時代の同級生は、
「真夜中でも明け方でも話したくなったら電話して。
私は独り暮らしだから、一日中でも話し相手になれるから」
私は真夜中に電話した。
「つまらないことをあれこれとごめん」
「つまらなくないよ。大事なことだよ。何でも話して」
「こんな時間にごめんね」
「なんで謝るの?私たち、大事な友達じゃないの」
私を大事と言ってくれる友人たち。
一日中、私の揺れ動く感情に振り回される家族たち。
何も言わず。
ただ、私を少しでも安心させようと
一生懸命動き回る家族たち。
顏を合わせたこともないのに
私を勇気づけ案じてくれ
大事に思ってくれるnoteの友人たち、
私を大事に思ってくれる人が
こんなにいる。
私を大事に思ってくれる人たちのために
私は自分を大事にしたい。
終わり
艱難辛苦
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