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ニットデザイナーの仕事

デザインだけではなく、仕様書を書いて工場さんや職人さんに作って頂くまでが主な仕事です。量産型のプロダクトは自分で作るという事はほぼありません。もくもくと絵を描き、糸や生地の見本帳、PCに向かっています。納期を逆算して生産にバトンタッチ、チームでこなす仕事です。もうひとつの仕事、手芸誌や糸メーカーからの依頼はデザインから図案作成、制作までほぼ一人で取り組みます。

工程が多く、とても手がかかりますが私はこの仕事が大好きです。

どうやって進めていくかというと、サンプル作りは殆どが糸とテーマがきまっていますので、それにあったデザインを何通りか考えます。手編みはどこか懐かしい感じが好きなので、生成りの糸を好んで使うことが多いかも。編集の方とデザインの打ち合わせをして作るものが決まったらゲージを取り試し編み。自分の手と糸の相性を掌握することが、スムーズに仕上げて納品出来るかにかかっています。

私のやり方はデザイン画を描いたあとに、4分の1の定規または実寸で平面図を起こし、ゲージから目数と段数を計算していきます。

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ーーー 大事な縮尺定規たち。これがないと落ち着かないので常に予備をストック。

目数が出たら大方の編み図を作っておいて編み始めます。編み図通りにいかないことも多いので修正を加えながら仕上げていきますが、油断すると辻褄が合わなくなるので編み図には慎重に慎重に修正点を書き込みます。

ニットは自由度が高いので、編み図を作らないときは、どうとでも合わせることが出来るし、途中でやむなく変更したりしたところが意外と可愛かったかもってこともよくあります。が、本になったりWebでレシピの公開だったりすると編んで頂く方に対して責任がある。そう思うと恐ろしくなり何度も何度も確認しています。

納品したら作品をチェックして頂いてしばらくすると校正原稿が送られてきます。ここは編み図を再度確認するチャンス。トレースの段階で間違っている時もありますが、私自身のミスを発見することもあるので、ここも赤ペンを持ってチェックしていきます。これをクリアすると、仕事もクリア。あとは本になって帰ってきたり、キットになって帰ってきたり。自分の仕事が媒体となっているのを見るのが一番嬉しい瞬間で、この仕事の上がりです。

そうそう、TOPの画像はシルクで編んだショールです。以前展示会サンプル用に作りました。小さなモチーフ繋ぎで、かぎ針3号でくさり編みと細編み、長編み、引き抜き編みのみで出来るのでかぎ針使える方ならだれでも出来ると思います。

4枚つなぎでコースターに、大きくして籠のかぶせにしても可愛い。複数人で大量に編めばベッドカバーだって出来ます。

まだまだ心置きなく出掛けられるような状況ではなく、家にいる時間も長いと思いますので編み物はおすすめですよー。私は気持ちが穏やかになるのを感じています。ニットデザイナーとしては、多くの人に編み物を楽しんで欲しいと思うわけです。




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