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ジャンプのボクシング漫画第十九話🥊

本当に時が流れてしまった。

鬼滅の刃みたいな結末となってしまった。

とは言うものの、僅かな話数でちゃんと話を纏めたのは素晴らしいことであると思う。

これまでの10週打ち切り漫画だと俺戦になって誰も気にしないのに投げ槍的な締め括りで終わってしまっていたからである。

奇しくも20週(19週だけど)の猶予を与えられつつも、話をコンパクトに纏めたのだからそれはそれで良かったのだと思う。

正直あまり長くやってもダラダラするだけで、本誌で途中打ち切りになってしまっていたこともある。

過去には銀魂やブラッククローバーもそうだった。

BLEACHは急に話を纏めて終わらせた感がある。

作家としては満足いくように描いていきたいのだろうと思うのだが、編集部や出版社的にはそうは行かない。

コミックスが売れなければ不良債権になるだけである。

漫ろに続けてある程度のコミックスが売れても漸次的に減っていけば逆にお荷物になってしまう。

ジャンプではないが、GTOもマガジンからヤンマガに移ったが最終章と称するも途中打ち切りになってしまったようである。

ドラマも再び始まるらしいが、その前に打ち切られてしまったらしい。

打ち切りはダイレクトだが連載中断ということにする。

読者的には「まだやってたんだ」という印象だったようである。

マガジンからヤンマガに移った理由も分かりそうだ。

新規を獲得出来なかったようだから青年誌への移籍のようだ。

これはジャンプやヤンジャンにもあって、キン肉マンもタフも週プレに移籍しつついまだに連載を続けているようである。

但し、この二作品は売れているようなので中年誌でも読まれ続けている。

週プレが中年誌?

青年向け雑誌と銘打ってるが、実際の読者層は団塊ジュニアで40〜50代の読者によって週プレやキン肉マンもタフも読まれ続けている。

ジャンプはへばりつく古参を切り捨てて子供達を再び呼び戻そうと努めたので、主役達の年齢層も低年齢化させている向きもあるように感じ取れる。

話を戻すがドリトライの主役の年齢層は中学生に相当する。

鬼滅の刃の効果で小学生達を呼び戻そうとする努力が見て取れる。

読み切り時代の年齢は少し上で高校生くらいだったが。

しかし流れた時の主役は“大人”である。

しかも夢を諦めかけ燻り続ける大人である。

貴乃花の息子?
大人になってもふわふわした感じが最後まで残った読者に現実を突きつける

なんで靴職人なんか目指そうとしたのか。

分からないし分からなくてもいいが貴乃花の息子を参考にしたのだろうけど、そういや新海誠の言の葉の庭も高校生ながらも靴職人目指す話だったな。

邪推だが祖父となった青空が興した工場で職人というものを感じ取ったからか?

この感じだと田舎で土地を買って工場を興してみんなを食わせて金持ちになった感じだろうか。

葬儀では親族が多かったので大家族になっていたのだろう。

青空は改元を越えて93歳まで生きたようである。

戦後の栄養不足と、ボクシングによる苛酷な状況と、その後の起業やらで体を酷使したらあんまり長生き出来そうもない筈だが、現実まで持って来たのだと感じる。

鬼滅だったら産屋敷が最後まで生き残っていたことになる。

最終話の主役の大河は23歳だが中学に入って東京に来てから10年間ずーっと燻り続けていることになる。

これ、どっかで感じるが新海誠の君の名は。と天気の子である。

若くしてほぼ家出の形で田舎を出て都会を目指したのだから田舎が嫌になったに決まってる。

古臭い昭和を否定しつつ祖父との思い出も余り良い思い出はなかったようである。

大河と青空の年齢差は70歳である。

母親の年齢を考えれば50歳前後だろうがやっぱり遅くに生まれた子供達とも考える。

主役の苗字は大神なので祖父から受け継いだ可能性は高いが、青空の妹の星も生きていたが嫁がなかったのだろう。

大きい工場なので田舎では有力者になっていたからみんな大神の方へ嫁いだり婿入りをしたりしたのではないかと思われる。

日本バンタム級タイトルマッチまで行ったようだ

この時代なので“シライ”がタイトル返上して空位になったところを順繰り巡った形で挑めるようになったのだろう。

現実的にもそんな負け戦績も多いが何度も日本タイトルに肖ることの出来るボクサーも少なからずいる。

青空のライバル?だった生野がセコンドに就いているので既にボクサーではなくなっている可能性もある。

直ぐ下のコマでは恐らくまた成長した青空が殴られているので暫くボクシングを続けていたのだろうが、タイトル取れず仕舞いだと流石に生活が困窮してしまうことくらい分かってしまう。

定年までとは行かないが夢をギリギリまで追いかけていたのだろう。

流石にそうなると婚期も遅くなってしまう。

妹の為に夢を諦めグローブを置いたとも見て取れる。

夢は叶わなかったというのもジャンプらしくはないな。

工場が軌道に乗るまで中年になった可能性が高い。

青空が家族を持つまで遅く掛かったと思えてしまう。

家族を食わすまで健康に気を付けて93歳まで長生きに努めたのだとそこまで汲み取れる。

ジャンプ作品では飽くまでも少年時代が中心なのでプロの世界に突入したら終わるというのが定石だった。

プロになってその後どうなるか未知数としていたが、それこそ読者自身にも委ねられていた筈なのである。

ろくでなしブルースもバクダンもプロボクサーにはなったがその後はどうなったかは分からないのである。

そう言えば喧嘩が強くてもプロの世界ではそういう訳には行かないといつもジャンプは教えてくれる。

ジャンプ黄金パターンとしては天才児が無双するがそれは飽くまでも少年の話の中に限っている。

少年が天下を取るなんてのは現実的に存在しない。

終わり頃になると段々と現実を突きつけられて来る。

青空は結局世界チャンピオンどころか日本タイトルさえ取れなかったのだろう。

孫の大河が祖父である青空がボクシングをやっていたことすら知らなかったのである。

これまでの自分のnoteでも書いてきたが、世界チャンピオンを作るのだって泥臭い人間がなれるものでもなく、丸で戦闘マシーンを作るかの如くのサポートがなければ不可能なのである。

17歳でプロ入り出来るようにはなっているが、やっぱりそれでは間に合わないのである。

鉛筆握らせる前からグローブ握らせてアマチュアで多くの成績を残していかなければ世界は取れない。

中重量級は無理で、軽量級でないと世界を取れる可能性はほぼない。

新人王を取ってもアマエリートの餌食になってしまうのである。

アマエリートは出発からしてB級若しくはA級なのでC級上がりの新人王が何戦繰り返してもデビューしたての選手の洗礼を受けてしまう。

ジャンプとしてはどんな分野でも隠れた才能の持ち主に勝たせたいとは思っているだろうが、実際は恵まれたエリートの方が生き残るのでそれを焦点に当てたキャラで描きたくても拒否反応を示すのだろうと感じる。

もしかしたらスポーツ漫画が余り上手くいかないのは既に天才によって牛耳られている現実を読者らは見てしまっているのではと思う。

現実を突きつけたって漫画にはなりゃしないのだから少なくともパンドラの箱の底くらいには希望の光くらい置いたっていいだろうと思う。

最終巻は12月に発売されて作者の読み切りが別冊にも掲載されるみたいなので少なくとも干されるといったことはないとは思う。

珍しく最終回まで綺麗に収まったのだからそこは褒めるべきだとは思う。

今度言及する時はコミックスについてなので、ジャンプのボクシング漫画シリーズはあと2回と言ったところだろう。

ヒット飛ばすまでジャンプは将棋漫画のように何度もそれを題材とした漫画をこれからも出し続けるのだろうと思う。

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