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文語俳句『今朝の冬』 近詠20句

文語俳句
『今朝の冬』
近詠20句

玉子焼たまごやきくるりと巻くや今朝の冬


初雪はつゆきやこころひらけばこころへと


まぼろしのちちははたち小春こはるかな


かげのまづうごくやまどの枯蟷螂かれとうろう


白鳥やかげもひざしもみづのうへ


たひ焼きの手に熱々あつあつねにけり


くだら野や日差ひざしに光るにはたづみ


日なたぼこ地獄を知りてをる人や


そのしたのつちをにぎりぬ枯芭蕉かればしょう


夜神楽よかぐらの火にかぶさるやほしの空


里神楽さとかぐらすずのおとのみあたらしき


たふとくも万両まんりょうは実をれにけり


あはれなりさくらと知りて大冬木おおふゆき


どぢやう鍋ねぎもて地獄かくしけり


ふゆの虹島ごとにあるみなとかな


こんこんとみづわきやまず枯木山かれきやま


冬霧ふゆぎりやおのれをてらす夜明けの


凍蝶いてちょうになはばりもなくやすみけり


湯気のなか煮えて色なき大根だいこかな


五重の塔五重にるやはつしぐれ


◇文語俳句集◇


文語体俳句、口語体俳句、会話体俳句
の3つ方向性を
順次探究しています


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