四季折々の俳句 32
「 胸張って 」
木のぼりの子らに新緑きらきらす
きのふとは大むかしなり鯉のぼり
日あたりてオリーブの花にほふ島
一杯のアイスコーヒーきれいなり
行くかぜを永遠に追ふヨットかな
目つむりてしづかなりけり夏怒濤
ひとり聴く郭公のこゑとほきかな
うで組みのまま日暮れたり田植時
柔らかにしらさぎあゆむ植田かな
小さくて大いなる母夏シャツ干す
☆
赤々と活けてこれより薔薇の日々
魂のしづまつてをりシャワーあと
だれも来ぬバーにゆらゆら熱帯魚
京びとの扇子さばきのかるさかな
海ばらがまぶたにうかぶ香水買ふ
鳴り鳴りてしづかなりけり風鈴屋
大阪のみちにまよひしあつさかな
胸はつてうなぎを食ひに来りけり
海原へ陽をしたたらせヨット洗ふ
そしてまた港出てゆくヨットかな
kusabue
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