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短歌ヨミタイ

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ここ数年、「短歌」を詠む人も、読む人も増えているのを、うっすらと感じていた。あれ? 短歌って五七五七七がルールじゃないの? 俳句と違って季語もいらないの? こんなに自由なの? だ…
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#歌集

おすすめの歌集『イマジナシオン』toron*著(書肆侃侃房)

概要著者の短歌は、俺が投稿している日本経済新聞の短歌投稿欄である日経歌壇に、一年半くらい前に掲載されていたことがあってそのときに初めて読んだ。 凄くいい短歌だったし、ペンネームもユニークで印象に残っていた。 短歌にしているテーマは身近なものが多いが、それをドラマチックに表現する能力が著者はめちゃくちゃ高いと感じる。この歌集は2022年に発行されている比較的新しい歌集だが、これからもっともっと注目されてもおかしくないと思っている。 それと、短歌の定型である57577に忠実な

短歌の連作のつくり方

歌集が出ました。 『わるく思わないで』現代短歌社 ↑これは発売店情報 歌集の発売記念イベント兼みなさんから短歌を集めようの会をやったのですが、そのときだやさん(𠮷田恭大さん)に、短歌の賞に出すとき、連作をつくってその中の未発表分の短歌をほかに使い回さななかったのか?という質問を受けました。 わたしは絶対に使い回さないのですが、それはけっこう珍しいっぽくて、だやさんの言い方だと「一首一首を大事にしていない」という形になる(それはわたしへの攻撃ではなく単純な事実として)ら

世界のうつくしさを思い出すためのおすすめ短歌集まとめ

最近短歌にハマっているのですが、なぜだろうと考えてみると、言葉にはならない、胸に積もった感覚や感情を言い当てた概念を探しているからではないかと思います。 『悲しみの秘義』というとても好きな本があるのですが、その本の中に、こんな言葉があります。 本当にこの通りだなあと思うと共に、いま日々に忙殺されていたり、静かに自分の胸に過ぎる想いの名前を知りたかったりする方がもしいらしたら、短歌に触れてみることで少しだけ、心が軽くなることもあるかもしれないので、Xで呟いていたおすすめの歌

歌集『死のやわらかい』を刊行します【新刊案内】

鳥さんの瞼さんの第一歌集『死のやわらかい』を刊行します。 書籍情報 定価:1500円+税 発売日:2024年5月下旬 著者:鳥さんの瞼 装丁:名久井直子 栞(小冊子):東直子 岡本真帆 林あまり 校正:鷗来堂 印刷:藤原印刷株式会社 判型:四六変形判 上製本 角背 頁数:96頁 ISBN:978-4-9912719-4-6 C0092 内容紹介 「死」を誰よりも愛し、向き合い、見つめ続ける歌人の第一歌集。 「……心をつくして死と向かい合い、命をかみしめ、生きているこ