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外国語を学ぶといい理由 /ソシュール

こんにちは。
「なんで外国語を習わないといけないの?」と英語の授業が苦手だった私が以前に抱いていた疑問を、言語学者のフェルディナン・ド・ソシュールさんから学んでみました。

↑動画はこちら✨

フェルディナン・ド・ソシュールとは

Ferdinand de Saussure(1857年 - 1913年)はスイスの言語学者です。
彼の構造言語学は、現代の思想に大きな影響を及ぼしました。

ソシュールさんが大学の教鞭をとっていたときの講義内容が『一般言語学講義』という本にまとめられているそうなので一応紹介しておきます。

ソシュールさんは、人間が言語(ラング)という制度の中で、思考していると考えました。
「人間が言語(ラング)という制度の中で」というのは、「それぞれの国語の中で」という意味です。つまり、

人は、言語の中で思考している

ということです。
日本語なら、日本語という枠の中で物事を考えていて、フランス語なら、フランス語の中で、英語なら、英語の中で思考していると考えられます。

『存在』が先か『言語』が先か

言語で思考しているとするならば、使っている言語によって様々な制限が生じます。

日本語には、『蝶』と『蛾』がありますが、フランス語だとどっちも『パピヨン(papillon)』です。
最初から、それぞれが分かれているわけではなく、言語によって区別が生じているのです。

パピヨン_note

このように、私たちは、言語で世界を見ていると考えられます。

ソシュールさん以前の言語学では、『存在』があって『言語』がある。と考えられてきました。つまり、モノに名前をつけていくということで区別をするというものです。

ソシュールさんはその考え方をひっくり返して、『言語があるから、様々なものを区別できる』と説きました。

言語を増やせば思考が豊かに!

虹の色は、日本だと7色だけどアメリカだと6色と国によって違います。動物の鳴き声も違うよね。
上げるとキリないけど、私たち日本人は『日本語』という言語で区別されているものや概念で思考しているのです。

雨は雨でも、

大雨 時雨 片時雨 寒雨 霧雨 五月雨 豪雨 小雨 小糠雨 細雨 ゲリラ豪雨 糸雨 積雨 地雨 滝落とし 天気雨 凍雨 通り雨 長雨俄雨……etc

と、書ききれないくらいまだまだ沢山あります。ただの"レイン"ではないのです。イヌイットは、雨の表現だけで、80個以上あるらしいですよ。

世界は言語で変わる_note

外国語を知ることは、言語の数を増やすことになります。
言語が増えると、概念に名前がつき、そのことについて考えることができます。
つまり、『言語が増えると思考が豊かになる』ということです。

外国語を勉強すると良い理由

『言語が増えると思考が豊かになる』という理由以外にも外国語を勉強すると良い理由はあります。
よく言われるのは、外国で働けるとか、世界中の人と喋れるとかあります。それももちろん大切ですが、外国語を学ぶと、『その国にしかない言語の概念で思考すること』ができるようになります。

世界には、その国に特有の『概念』があります。
それは訳すことができないので、外国語を勉強するというのは、思考の幅を広げるとても良いチャンスなのです。

ソシュールさんの考え方は哲学の世界にも大きな影響を与えているのですよ。

『本当のこととは何か』

を考えたとき、言語が違えば当然『本当のこと』も違ってきます。

これらが「外国語を勉強するといいよ!」の本質だったりするのかもしれません。

って、私はなかなか英語の習得もできませんけどね……ヾ(-ω-; )ォィォィ
おしまい!


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