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じゃがいもから将来の農業を考える

自家採種の芋を種イモにすることについて

これは去年収穫したジャガイモです。
今は販売されていない品種です。これを今年は植え付けて種をまた残そうと考えています。

じゃがいも、さつまいもに関しては、近年圃場による大規模な病虫害感染が問題になっています。
産地でもかなり被害を受けており、そのために価格が高騰しているのが現状です。なので生産者を守るため、種苗会社からのウィルス対策をした苗を購入するのが推奨されています。
しかし、その種苗会社から購入した苗がもし感染していたらどうでしょう?購入した苗から感染した病気が一気に広がり、感染が拡大してしまうのではないでしょうか?
 
一か所で集中して栽培するほうが感染は拡大します。
なので分散させるほうが感染リスクが下がるのは、みなさんコロナで経験してよくご存じのことだと思います。感染リスクをさけるには、小規模で分散させて栽培する方法が一番理にかなっているのは理解できると思います。
種苗会社や大規模圃場で一斉にそれをするのはかなり難しいです。なのでそういう意味では、多品種少量栽培できる菜園が一番リスクが少ないと思います。
 
災害やこういった病害虫によるリスクが増えた今、集中して一か所で同じ作物を作るのにはかなり限界がきていると思うのです。
そこで多品種少量栽培にして、作っている作物同士をある程度まとめて一括管理するシステムを構築すれば、市場でものが足りなくなる現象はかなり回避できるのではないでしょうか?
 
実際こういった試みをしている自治体も出てきています。
石川県小松市では、特産のトマトソースの材料の不足から、一般の家庭の方にお願いしてトマトを育ててもらい、それを集めて特産のソースを作る、ということをしたそうです。
去年の水害でトマト栽培農家は壊滅的な被害を受けたようなので、これは画期的なアイデアだと思います。
 
もちろん、このアイデアを実行するには、「農家」という概念を根本から変えないといけないと思いますが、これからの食料生産のあり方として一つの方法だと思うのです。
そのささやかな取り組みの一つとして、私はじゃがいもやサツマイモを自家採種しています。今のところ被害は出ていませんが、もし被害が出たら別の野菜をしばらく作り、土地の回復に務めるつもりです。
大規模農場ではそうは行かないですが、多品種栽培ならそれが可能です。

今、考え方の転換が求められている……そう思うのです。
前回のトマトもそうですが、今こそ「個の力」を結集すれば、持続可能な未来が見えてくるのではないでしょうか?

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