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絵空文庫(3) 2021.3.17

 絵空文庫は、とある世界の名著や噂の新刊を「秋霖書房」の書店員さんのコメントとともにご紹介するコーナーです。今週はこちらの3冊です。


6.ノクターンに包まれて

桂坂るり著 『ノクターンに包まれて』

◇恋をした。混乱の中で、喧騒の中で、唯一つの恋を。

 第二次大戦中、戦火によって引き裂かれてしまった一組の男女がいた。実ることがなかったその「恋の記憶」は時を越え、やがて現代の東京に暮らす彼らの子孫達を再び引き合わせる。この恋はかつての二人のもの?それとも…。

おすすめ-インパラ店長

過去と現在、二つの恋の行方を辿っていく、その二重構成が面白いね。かといって複雑すぎてついていけなくなることもない、絶妙なバランスで仕上げた見事な一冊だよ。



7.ワケあり御免!

安藤史春著 『ワケあり御免!』

◇贋作、盗品、挙げ句に怪異。モノほど騒がしい相手はいない。

 元禄、江戸は浅草で質屋を営む勘次郎は、ただ人並みの生活を望む平凡な男だった。しかしどこで何を間違ったのか、店はいつしか曰く付きの品に悩まされる住人達の駆け込み寺と化していた。頼まれれば断れない性分の勘次郎は、嫌々ながらも数多の怪奇現象に立ち向かう。

おすすめ-インパラ店長

こんなに堅苦しさの無い時代小説は久しぶりに読んだね。とにかく毎回のように振り回される主人公がもう可哀想で(笑)。愉快で人情味に溢れた作品だよ。色んな人にオススメしたいね。



8.佇む隙間

田部淳著 『佇む隙間』

◇見つけられないほど淡く、忘れられないほど深い。

それは、触れるはずのなかった世界。日常に隠された、どこでもない場所、いつでもない時間。そんな“隙間”の中で、私はあの人に出会った。人間の心の距離を美しく描き出す、田部ワールドの集大成にして最高峰。

おすすめ-インパラ店長

この作品は、そうだね…例えるなら「すっかり忘れていた頃に開いたアルバム」かな。書かれている内容に最初は驚くのに、次の瞬間には自分のもののように染み込んでくる。この不思議な感覚は、ちょっと他の小説では味わえないかな。


 さて、私たちの街はやっと春の匂いがしてきました。春といえば新しい出会いの季節です。あなたの読みたい本には出会えたでしょうか?想像力のページをめくれば、紙の本も、電子書籍ですら手元になくてよいのです。いつでも絵空文庫はあなたの中にあるのですから。それでは、また来週お会いしましょう。

絵空文庫 編集部


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紹介文


絵空文庫は全てフィクションです。実際の人物・作品とは一切関係ありません。

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おすすめ-インパラ店長

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「わたしたちが登場するお話はこちらだね。まぁ、わたしの出番は少ないけどね(笑)。」


ヘッダーマガジン用

「絵空文庫のあらすじ担当 kazuoによるエッセイ作品だよ。なんていうか、年をとったからかな、これくらいのゆるい感じに惹かれるんだよね。更新に期待だね。」


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「ライター・えすぷれっそによる短編集はこちらだよ。物語のようで詩のようで、毎回楽しく読んでるね。ところで、えすぷれっそさんって女性って思い込んでたんだけど、男性ってほんと!?」

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