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バースデーバルーンで自己肯定感を高めたい

休日のアメリカ南部の田舎でよく見かける光景。

大きな公園に行くと大体誰かがカメラマンを連れて記念撮影をしていて、それは卒業記念だったり誰かの誕生日だったりする。

バースデーバルーンと呼ぶのかは知らない。数字のかたちの大きなバルーンだ。日本でもインスタなどでよく見かけるこのバルーン。赤ちゃんや小さい子のバースデーフォトなんかでお馴染みのあれだ。

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大きな数字の1と5がぷかぷか浮かんでいる。
日本だったら「あのグループの中に1歳と5歳の子がいるのかな?」と思う。

しかしこちらでの選択肢は1歳と5歳だけではない。それは15歳かもしれないし、51歳の可能性だってある。

実際バルーンを持つ人々を目にするたびに「今回はどっちかな?女の子の方?おじさんの方?」と勝手にクイズ気分になることが良くある。

50歳とか60歳というキリの良い数字ならともかく、51歳のおじさんがバルーンを使ってお祝いすることは本当にあり得るのか。実際に半端な年齢の人でもバルーンを用意するのかどうかが気になってAmazonで検索してみると、確かに51歳用のバルーンが売られていた。41歳でも56歳でも、それぞれ専用バルーンがちゃんと用意されている。

いくつになっても誕生日を堂々とお祝いできるのって何だか素敵だ。

もちろん日本の51歳の方だって、お家やレストランや職場なんかで誕生日をお祝いしている人も多いだろう。ただ、公園で51のバルーンを持つかと考えるとわたしの周りの大人たちからは想像出来ない。30代のわたしでさえ、室内でバルーンを飾ることは出来ても、公園で写真撮影するのは躊躇われる。

日本でも、大人がバルーンを持って公園で誕生日をお祝いしてもいいはずだ。何故誰もしないのか。何故出来ないのか。これは最近我が家でよく話題に上る自己肯定感の問題ではないかと思う。

もういい大人だから恥ずかしい。

年齢を重ねることは恥ずかしいことではない。
お祝いすることだって全く恥ずかしいことではない。

恐らく、いい大人なのにと周りに思われることが恥ずかしいのだ。

バルーンなんて小さい子のもの、若い子のもの、あるいは女の子のものと思うかもしれない。しかしそれは思い込み、固定観念だ。バルーンを持つことに年齢制限はないし、実際こちらでは老若男女がバルーンでお祝いしている現実がある。

他人の目線、空気感を感じ取り、何となくネガティブな気持ちにさせられているだけではないだろうか。

日本人の自己肯定感の低さは周りの環境のせいの部分も大きいのかも?

自分がバルーンを持ったときに周りの人たちが温かくいてくれたら。
あの人いい歳して。ではなくおめでとう!を感じられたらいいなと思うが、今の日本では少し難しい気もする。

アメリカは自分が好きなことを否定されない文化。かどうかは住んで1年( しかも基本引きこもり生活)のわたしには正直わからない。否定する人もいるのかもしれないし、他人に興味がないだけかもしれないし、単に個々人のメンタルが強靭で他人の目を気にしていないだけなのかもしれない。

ただ、個人の自由が守られているというのか、「ここから先は立ち入り禁止ですよー!」という不可侵な領域がはっきりしているというのか。

皆がそれぞれ好き勝手に好きなことをしていれば、わたしも気にせず好きなことをしてもいいような。そんな気がしてくるのだ。

結局のところ、日本は周囲を気にしすぎる文化。お互いを気にすることが思いやりや配慮に繋がるし、それが美徳でもある。この「気にする文化」はきっと日本人とは切り離せない。自分の言動も周囲の言動も気にする感覚が染み付いたわたしたちにとって、ひとはひと。自分は自分。と簡単に割り切ることはすごく難しい。

そんな他人の目線が気になるわたしたちが年齢を重ねてもバルーンを持ってもいいんだ!という自己肯定をするためには、自分の行動が周りから受け入れてもらえる、他者から肯定されているという安心感みたいなものが土台に必要なのかなと思う。

バルーンを持ちたくないなら持たなくて良い。
ただ、バルーンを持ちたい人を許容してほしい。

自分とは異なる価値観を否定しない。むしろ違いを尊重し、お互いにいいね、素敵だねと言える文化。そんな土台がつくれたら、安心して「わたしはこれが好き」、「わたしはこれがしたい」と言える社会になるんじゃないかなと思った。

もうすぐ夫の誕生日。キリの良い数字ではないけれど、こっそりバルーンを買ってみよう。そして嫌がられるとは思うけど、上手く公園に連れ出して、笑顔のバースデーショットが撮れたらいいなと思う。



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ここまで書いで下書き保存にしていたところに、注文していたバルーンが届きました。

おっっっきいっ!!!

手元に届いてみると思った以上に大きかったです( いつも遠目で見ていたので気が付きませんでしたが、息子の身長くらいありました。)

そして部屋の隅に雑に置いてあるだけでも心の奥底からうきうきする気持ちが湧き上がってきます!(自分の誕生日ではない)

やっぱり何歳になっても誕生日っていい。
バルーンの、年齢をダイレクトに肯定する感じがとても好きです。

バースデーバルーン、結構おすすめです。

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