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仮の親4

とうとう太陽が眠り、星が怪しく光る夜がやってきた。ザード夫人は、引っ越しの支度をし、馬車に乗る準備をしていた。その間、召使いの一人が、赤子を拐っていた。この村では、人拐いなんて起きた事が無かったので、余り警戒もしていなかった。召使いはいとも簡単に赤子を拐う事が出来た。その後フルヴィル夫人の赤子とザード夫人は馬車に乗り、闇夜の中、馬の蹄と歯車の音が、響きわたっていた。
(続く)