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【詩】身勝手な言い分

ローズマリーと暮らすあなた
枝の先ほどの愛情と目玉焼き

あたしにはあなたがいないから
オリーブと暮らすことにしました

なんて浮気でいい加減な太陽
くすんで渋みきった縁取り

食虫植物の食べた夢は
恐ろしく孤独な日常
つまんで
落として
溶かして
なくして

あたしにはあなたがいないから
トカゲと暮らそうと思ってみたりしている

スピード狂には注意して
わき見は禁物
雨でも晴れでも嵐でも
大人だから遅刻はしません
きちんと働いてきちんと眠る

恋しくなったら声を聞かせてよ

とりとめもない
他意もない
なんでもない
重要なのは
この耳の
あなたの声を入れるタンクが
常に枯れずに満水であること

交わるとか交わらないとか
もうそんなことは
大して意味を持たない

「どこまででもいけるよ」

口約束であっても
約束は約束です

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