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俳句 滝

   山下る土踏む音と滝の音

   滝の音背へ迫り来る振り返る

   足首へ水しぶきあげ川は夏

 
 四国山地の山襞の小さな谷には 名を知らぬ滝のある川が 幾筋もあり 改めて 今までに目にした滝をひとつひとつ思い出しています。
 遊歩道などの道が整備されているのはある程度観光を意識した場所です。そうでない小さな滝へ続く道は 台風などで すぐに崩れてしまうような山道、けもの道、踏み分け道が 殆どです。

 むかし、ドイツから来られた方たちと、そのような道なき道を行くピクニックに同行したことがありました。その山に住む人に案内を頼み、一緒に川を登りました。(ドイツ人2 地元民4 案内の夫婦 総勢8人)
 私達には見慣れた田舎の山の普通 も、ドイツの客人には驚きであったらしく、彼女らの ”ワンダホー” が止まりません。私達に気遣い 英語でしたが、なにやら興奮の早口で、ただ、眼を輝かせ 感動していることは ヒシヒシ伝わりました。

 聞くところによれば (こびとになり箱庭に入り込んで冒険をしたような心持)らしい。
つまり、大陸に住む人からすれば、ギュッと狭い場所に山あり谷あり、滝あり 川あり で、信じられない と。
 その川で魚を釣り 否 掬い 塩焼きにしてお昼にしました。案内の山の住人のリュックには ドイツ人の好きなジャガイモがドッサリ。それも焼いて頂きました。客人はそのホスピタリティにも感動していました。
 山の住人は、(遠方から来てくれて……お国の普段の主食を聞いただけ 何を大仰な) と、ぶっきらぼうです。(田舎の人はシャイ)
 もう 三十年が経ち 案内してくださった方も故人となられ、ピクニックをした山は 危険で 進入禁止になりました。人が住まなくなり、荒れ果てる山を前に 言葉を失います。
 
山や川や海に ぐっと近付く夏休み 
今日から八月 どうか 安全に  
人の生活が無い場所は 想像より 危険です
そこに住むということは 
きっと そこを 守ること

今日は長い文章になりました。読んでくださりありがとうございます😊
どうか 安全に
 

 
 

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