見出し画像

3行日記 #121 (異音、自我をとり戻す、鰤)

一月十五日(月)、晴れ。

朝、電子レンジで肉まんをあたためていると、とつぜん、ゴォーと唸りだして異音がなった。その音がどんどん大きくなっていく。恐怖を感じすぐに止めた。

午前、商店街の喫茶店へ。私の右隣のおじいちゃんのさらに右隣に、おばあちゃんが座る。そこへ口が達者な別のおばちゃんが割って入る。ごめんな、となりが年寄りで、もっと若い人のほうがええやろうけど。しばらくしてもう一回やってきて声をかける。もう少し前いって、背もたれに使うておくれやす。クッションがわりにダウンのコートを背もたれにかけていった。

昨晩、おやかまっさんのデジタル時計の表示がおかしいことに気づいたのだが、今朝も症状はつづいていた。いまは十一時三十六分。だいたいは正確な時刻を表示しているのだが、とつぜん、間の手をはさむように「00:00」「3:06」「45:85」と謎の数字に切り替わる。自我をとり戻そうともがいているかのようだ。がんばれ、おやかまっさん。

後ろでふたりの女性が話す声がする。おやかまっさん、あの扉あくねん、えー!知らんかった。そやねん、きりの良い時間で一日に何回か。あいて、ぴーひゃらぴーひゃら、音が鳴って、おにんぎょさんが出てきてひょこひょこ動くねん。たまにこどもが、何が怖いのかわからんけど、ぎゃあぎゃあ泣いてるときもあるわ。

昼、イオンでは毎月十五日に魚の特売をやっているらしい。一皿、五百円均一の鰤の切り身を買った。

夜、鰤の照り焼き、昨晩の粕汁の残り、蜜柑。チャックの散歩、ガード下をくぐっていると、チャックがもぐもぐやっている。妻が口をこじ開けると何かの骨がでてきた。南の公園でうんち、北へ戻る。お惣菜屋さんで恵方巻きの予約を受けつけていた。

#3行日記

この記事が参加している募集

3行日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?