3行日記 #193(飛び石、カレー臭、ういろの顔)
六月三日(月)、晴れ
午後、植物園へ。北大路から向かうのに、久しぶりに飛び石を渡って行こうと思ったのだが、数日前の大雨で水量が多くなっていた。渡れるかどうか微妙だったが、白髪のおじいちゃんが渡っているのが見えたので挑んでみた。最後の四つの石のうえに水が押し寄せていたのだが、戻る時間がなかったので強行突破した。ぎりぎりアウト。足の裏にちょっぴり染みこんだ。ハスの群生地を見せてもらい、歩いていると、カレーの匂いがする植物があった。葉っぱを揉んだ指を鼻に近づけると、たしかにカレー粉の匂いがする。スパイスカレーのほうの。案内板に「カレー臭」と書いてあった。
夕方、燕の巣の前を通る。朝、改装工事がはじまっていて、筋肉隆々の土木作業員たちが大勢集まって作業を開始していた。気になって扉を見ると、観音開きで一八〇度開いて、肝心の巣のあるところが見えない。あぁ、また壊されてしまったか……と落ち込んでいた。そして、夕方に通ったときに確認しようとしたのだが、隙間に幕が張られてなかが見えない。少し離れたところから背伸びをしてのぞいてみると、なんと、巣が残っていた。優しい作業員で良かった。
夜、昨日の残りのハンバーグ、もらいもののサラダ。ちょっと下痢気味。原因はなんだろうと二人で話し、彦根ういろが怪しいのでは、となった。そういえば味が苦かった。まだ一個残っていたのを、妻がひとりで食べるという。食べる? と聞かれたので、食べるよ、と答えると、あらそう、みたいな顔で遠くから見てきた。チャックの散歩、南へ、団地を抜けてぐるっと回って、神社を通って帰宅した。