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3行日記 #113 (汚い十円硬貨、口輪、干からびた米粒)

一月六日(土)、くもり
小寒、芹乃栄、せりすなわちさかう。

午前、出町から高野へ高野川沿いを歩く。橋の下にドラムセットがあった。レターパックで原稿を送る。無事に届きますように。

夕方、買い物でレジを終えて帰ろうとすると、お客さま、と声がかかる。誠に申し訳ないのですが、パプリカの値段が間違えていまして……。いくらですか。三十円くらいです。それくらいだったらいいですよ。そういうわけには、処理しますのでちょっと待ってください。はい、三十二円のお戻しです。あ、十円が汚い。交換しますね。あまりにも汚いので……。交換した十円硬貨はさらに汚かった。何も言わずそのまま受け取った。

夜、もらったお肉で家焼肉。玉ねぎ、人参、じゃがいも、パプリカ、茄子、にんにくのホイル焼き。野菜が甘くておいしい。チャックの散歩、小雨が降ってきたので、私鉄のガード下へ。帰り道、小犬どうしが睨み合っているところへチャックも近づき三つ巴になるかと思いきや、ほかの二匹に気づかれないまま、一匹が離れてしまった。もう一匹は口に輪っかをつけられていた。拾い喰いを防ぐものらしい。

たったいま日記を書き終わったところ、カランカラン、と何かが飛んでいってぶつかった乾いた音が鳴った。何の音? と妻に聞くと、米粒。かぴかぴに乾いた米粒があったから投げた。シンクに投げたようだ。

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