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デジタル革命を、アナログなコンサルタントがまとめてみます(1/5)

(2019年8月2日掲載、https://kuroshiohr.com/2233/より転載)


最近やっと、QRコードでのLineの交換に緊張しなくなりました。
そんな私にとってデジタル革命は得体のしれないもの。
あおっている人も多そうだし、「そこまで大きな出来事なの?」という懐疑的な思いもあります。

とはいえ、私のコンサルティング領域である、「組織の在り方」や「人材マネジメント」に凄まじい影響があるかもしれない。
逃げ回るわけにもいかなそう。。。
そこで、精度は低くても、自分なりにデジタル革命の「全体像」を一回まとめてみようと思います。

ポイントは;
① デジタル革命での技術的「進歩」とは何か?
② その「進歩」で生まれる新ビジネスと、市場へのインパクトは何か?
③ ①②で起こった変化により、「組織の在り方」「働き方」「人材マネジメント」はどう変わるか?


ちなみに上のポイントを、産業革命に置き換えて回答するとこんな感じをイメージしています;

① 産業革命での技術的「進歩」とは何か?
→人間や馬力を凌駕する動力を手に入れた

② その「進歩」で生まれる新ビジネスと、市場へのインパクトは何か?
→蒸気機関車、蒸気船(新製品)での、生産&物流ネットワークの拡大
→製造機械(新製品)での、製造コスト削減と大量生産

③ ①②で起こった変化により、「組織の在り方」「働き方」「人材マネジメント」はどう変わるか?
→低技能労働者の大量雇用(と巨大企業の誕生)、長時間労働や都市環境の劣悪化と、それに対する労働法等の時間をかけた整備

あちこち間違っているところもあると思いますが、とりあえず恐れず。
必要があれば内容を再検討し、逐次アップデートして精度を上げていきたいと思います。


①デジタル革命での技術的「進歩」とは何か?

ザクっとまとめると、デジタルの進歩とはきっと次の3つ;
・短縮・省略系
・情報記録系
・自動改善系


それぞれがシステム化(プラットフォーム化)され、つながることで、すごいことができると考えれば良さそうです。

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「短縮・省略系プラットフォーム」での進歩は次の辺り;
・コミュニケーションの時間・コストの短縮
・仲介業者、店舗、代理店の省略/決済の短縮
・生産コストの短縮(オートメーション)


EmailやSkype、さらに昔に戻ればMicrosoft Officeの登場による資料作成時間の短縮などが、コミュニケーションの時間・コストの短縮です。

仲介業者、店舗、代理店の省略/決済の短縮の例は、Amazon、PayPalを挙げればカタがついてしまいますかね。
どちらも当たり前すぎて「進歩」と考える感覚すら薄れていますが、改めて考えればすごいことです。。。と、アナログな私は思います。

ビジネスの世界では「生産コストの短縮(オートメーション)」というのが大きそうです。

ベテランエンジニアが一台一台の機械に張り付くことなく、製造工程を一元管理できるようになったのも、その一例でしょうか。
広い意味で、部品、在庫調整や物流の効率化もここに含めてしまって良いのかなと思います。

続いて「情報記録系プラットフォーム」での進歩;
・製品の追跡
・消費者行動収集
・人材・サプライヤーの情報収集


そしてこの3つの組み合わせによる;
・生産プロセス情報
・マーケティング情報


モノのインターネット(IoT)って、デジタル革命に出てる言葉で一番わかりにくい。
でも要は「製品の追跡」って考えることにします。

今までは製造工場、倉庫、店舗と数カ所でしか管理できなかった製品。
これを部品の段階から、販売後の使用状況まで、ずっと途切れることなく管理・把握できるようになったということです。

当然、購買時や使用状況も分かれば、消費者行動情報も大量に収集できます。
コマツが販売後も使用状況を追跡し、適切なメンテナンスの提案や品質向上に活用しているというのは、よく取り上げられる事例かなと思います。

さらに部品を提供する様々な製造工場やOEM工場(サプライヤー)などが、「製品の追跡」によりバーチャルにネットワーク化され、その情報が蓄積されるのでしょう。
加えて、人材紹介会社へのウェブでの登録数も増えていくことで、人材情報の集積、ネットワーク化も進んでいるんだろうなと思います。

製品とサプライヤー,人材が結び付けられれば、1つの工場内に留まらない、本当の生産プロセス全体(バリューチェーン)の情報も大量に収集できます。

また、製品と消費者行動ということであれば、マーケティングに活用できる情報もかつてないほど収集できます。
さらに消費者行動という意味では、購買前の商品探索行動のデータがAmazonやGoogleでどんどん集められ、マーケティングに活用されていると思います。

続いて「自動改善系プラットフォーム」の進歩を考えたいですが、その前に「短縮・省略系」と「情報記録系」の関係について寄り道。
便宜的にこの2つを分けてみましたが、実際の世の中では、「短縮・省略系」と「情報記録系」を併せ持つプラットフォームの方がはるかに多く、そしておそらく強いプラットフォームです

わかりやすいのは、すでに両方のプラットフォームとして挙げてしまったAmazon。
仲介業者(卸)や店舗の省略、決済の短縮をできてしまう「短縮・省略系プラットフォーム」であり、検索履歴、購買履歴を大量に集める「情報記録系プラットフォーム」でもあります。

併せ持ったプラットフォームのほうが強いと書いた理由の一つは、 「短縮・省略系」機能を持つことで、利用者が無意識に情報を、「情報記録系」機能に提供してくれることです
(多少イヤだなと思いつつ使っている人もいるでしょうが。)

逆に言えば、利用者が苦労して情報を登録しなくてはいけない「情報記録系プラットフォーム」一本では、そのうち淘汰されてしまうかもしれません。

併せ持ったほうが強いもう一つの理由が「自動改善系プラットフォーム」です

「短縮・省略系」と「情報記録系」を併せ持ったプラットフォームは、必然的に「自動改善系プラットフォーム」であるはずです。
「情報記録系」機能で集められた情報は、「自動改善系」機能によって解析され、「短縮・省略系」機能を日々アップデートしていくはずです

さきほど「必然的に」と書いたのは、自動改善系機能がないのであれば、集めた情報は宝の持ち腐れになるからです。
また、自動改善を活用しなければ、短縮・省略系はすぐに陳腐化してしまうからです。

で、この「自動改善系」機能が、たぶんAIと呼ばれているものだと思います。

おそらく自動改善できる領域はまだまだ狭いのでしょうが、人の手による改善に対するAIの強みは、試行錯誤を恐ろしい頻度でできることなのかなあと思います。
領域の広がり、試行錯誤の頻度向上によって、 「短縮・省略系」「情報記録系」「自動改善系」の三位一体プラットフォームはますます進歩していくでしょう

ここまでがまずは、①デジタル革命での技術的「進歩」とは何か?のまとめになります。

次のアップデートでは、②その「進歩」で生まれる新ビジネスと、市場へのインパクトは何か?について、ザクっとまとめてみたいと思います。

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