とんでもないドーピング効果。
昨日の夜は珍しく眠れなかった。
遅くまでライブもあったし、お笑いについて考えたいこともあったのでずっと頭が動いていて眠れなかったのだ。
今日は9時から17時までたこ焼き屋でバイトがあったので、7時半に目覚ましをかけていた。
時計を見ると、もう朝の7時。
流石に一睡もせずに8時間バイトはキツイと思い、30分だけなんとか眠った。
その後普通にバイトに行ったが、10時ごろになってくると流石に眠気に襲われた。
だが、まだバイトは7時間もある。
ワンオペなので休憩することもできない。
ふと、高専時代はよく徹夜で勉強していたことを思い出した。
俺に限らず、全員が徹夜で勉強していた。
そして全員が、モンスターエナジーを飲んでいた。
高専ではあまりに人気だからか、校内の自販機で定価より安く買うこともできたはずだ。
久々に飲んでみようと思い、隣のセブンイレブンに爆速で買いに行った。
飲んでみると、中々懐かしさを感じる。
高専生にとって、モンスターは青春の味と言っても過言ではないだろう。
久々に飲んで実感したが、相当眠気も収まる。
カフェインが死ぬほど入っているからだ。
それになんだか動悸が激しくなり、テンションも上がって来た。
少しハイになる感じである。
接客はいつも以上に笑顔でハキハキとしているし、たこ焼きを焼く速度も心なしかいつもより早い。
昔は徹夜できたのに、なんで最近は徹夜できないんだろうと思っていたが、その理由がわかった。
それは歳を取ったからでも、運動不足で体力が無くなったからでもない。
モンスターを飲んでいなかったからだ。
モンスターは人の体力を満タンにする仙豆なのである。
結局30分しか寝ていないのに、バイトが終わって家に着いてからも、こうやってnoteを書くことができている。
調子に乗ってジョニーウォーカーも飲んでいる。
なんて優雅なんだ。
そんな至福の時間を過ごしていると、鼻の下を触った時にペトリとした感触を感じた。
触れた手の平を見ると、赤黒い液体がついている。
「鼻血…?」
その直後、左胸をグッと締め付けられるような強い痛みが走った。
俺はあまりの苦しさにのたうちまわり、机の上にあったジョニーウォーカーも柿ピーも全てひっくり返った。
息も絶え絶えに、なんとか救急車を呼ぼうとする。
しかし遠ざかる意識の中、パニックを起こしている俺は救急車の番号をド忘れしてしまう。
119か、110か、それすらもわからなくなり、117に電話をかけた。
「ピピー、午後、9時、3分。」
俺のiPhone14は電子的な音声でそう伝えた。
「117は、時報だったか…!」
それが、彼の最後の言葉となった。
彼の生きざまからすれば、それはとてもあっけない末期だった。
彼の意識はそこで途絶え、数日後、自宅で冷たくなっているところを発見されることになる。
モンスターはほどほどにしましょう。
おしまい。
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