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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2023年6月の記事一覧

詩「無駄な時間」

「また無駄な時間を過ごした」 声を荒げる 人間は機械じゃない そんなことは分かっている それでも無駄な時間を過ごす自分が許せないのだ 『焦るな』て? 分かっているさ 分からない 焦ってなどいない  うそぶく 「今日も無駄な時間を過ごした」 声が沈む 空ろな目で上を向き空を見た

詩「自分に嘘を吐く」

自分に嘘を吐く 分かっている けれども嘘を吐く 辛いのだ 悔しいのだ 悲しいのだ 言い訳ばかりする 「それとこれとは違うだろう?」 常識をぶつける 泣けてくる 止まらない理屈 それは屁理屈 嘘を付き続けるのか、止めるのか 心はまだ誤魔化そうとする 堪えられるか 越えたい 先へ

詩「日々の重み」

日が過ぎる 日々が過ぎ行く 日を積む 日々を積んで行く そこに何があるのか 押し問答 何かがなければいけないのか 哲学の道にも手を出して 「疲れた」 口にする 日は重い 日々は重い 知らなければいけないが 知りたくもないと思う 生きて行く感覚 一日をまたひとつ終えた 日々の重み

詩「無気力」

人間には気力というものが備わっているらしい それは目で見ることも手で触ることも出来ないらしい 「本当にあるのか?」 僕の口を突く だらだらとソファーに座り、立ち上がる気力もない 「あ? 気力と口にしたか…」 おかしなことを言う 口にするくらいだ気力はあるのだろう 無気力な僕

詩「手札」

たまに自分の手の内を見る 知識はこうだな 行動はこうだ この札は必要かいなか これは価値があるかいなか 何が不足している そんなこんなを一通りやるわけだ そして、毎度、自分のしょぼさに気付く 「やってられねぇ」 そう言わんばかりに捨てようとする だか捨てたことはない 情けない 手札

詩「一日を終えて」

日もどっぷりと暮れ 一日が終わろうとしている 今日出来ることはやった 何も無い空白のような時間 疲れた体を休めるために寝床に入る前 その隙間のような時間 静寂に気付くか 喉の渇きに気付くか 時計の音に気付くか それによりその時間はあるものとなる 「そうだな」 本を手に取る

詩「今日という日」

今日という日は今しかない 当たり前の毎日は今日で、明日になれば昨日になる そんな連続を繰り返している 時々、今日が終わらなければいいと思う 時々、今日さえ終わればいいと思う 揺れる心 刹那の連続が今日という日を刺激する 私は、今日が止まればいいと思った 明日を夢見ながら

詩「ひとりとふたり」

君がひとりがいいと言った 僕はふたりがいいと言った 君と僕、合わない 君がふたりがいいと言った 僕はひとりがいいと言った 君と僕、またまた合わない もう無理なんじゃないかな? 君がふたりがいいと言った 僕もふたりがいいと言った 今日の僕たちははにかみながら笑った 幸福

詩「僕の道君の道」

僕の道 君の道 唐突にふたり気付いたんだ 寄り添っていることに 刹那、ふたりは立ち止まった 毎日コツコツと歩いて来た道 互いに知らぬ所で精一杯、足を進めたんだ 時に躓いたり転んだり 時に後戻りもしたかもしれない そんな人の道 なんだかふたり泣けて来て 共に歩もうと決めた日

詩「君の愛は金平糖」

「泣かないで」という君 「泣いてないよ」とうそぶく俺 ウフフッと悲しい笑顔で笑う 「私の金平糖を召し上がれ」 君がいつも持っている金平糖 俺はどこからそれが出て来るのか知らない 「俺には甘すぎるよ」 渡されたのはアールグレイ 金平糖には似合わない 大切な…をなくした日

詩「人の美学」

人よ己の美学を持て 己の美学を誇れ そして酔い痴れろ 唯一無二とも思える美に直面したら、決して手放すな 生涯の伴侶だ、大切に育てろ 美学は相棒 時に何事かに挫けるようとも救い出す 人の美学はあらゆるものに変わる そして人の人生を潤す さて君 人の美学の談義に花でも咲かせようか

詩「人間の生きる意味」

人間に生きる意味など無い 人間は体と心と命があるから生きている 嘘だと思うかもしれない 人間は頭で考える生きものだからね だが事実である 「何故、生きるんだ」 「生きる意味がないのは間違いだ、意味はある」 ごもっともだ そうだ、強いて言うならば 生きる意味は作れ

詩「瞬き」

君が瞬きをした 刹那、君の瞳には何が映ったのだろう 僕は君に見蕩れてしまう 君が僕の方へ顔を向け笑った、そして瞬きをした 僕は君の瞳に映っただろうか 想像をする 僕は照れて俯いてしまった 「どうしたの?」と問われ 「君の瞬きが綺麗だから」と言った 今度は君が俯く 二人手を取った

詩「『辛い』が変わった」

僕の心の中で『辛い』を見付けた そいつは少しキラキラとしていた 僕は不思議に思って、少し怖かったけれど見てみることにしたんだ それを見てみる すると、ついこの間、辛くて悔しくて仕方がなかったことだった 僕は驚いて目を逸らそうとしたけれど 「変わりたいの」と言った